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読む・観る「韓国女性映画」夏目深雪[編](河出書房新社 2022)

さきほど、この本の表紙となっている映画「ユンヒ」(監督・脚本:イム・デヒョン)を観た。
物語。母娘の二人暮らし。母ユンヒ宛ての手紙を読んでしまう娘セボム。
娘セボムは、母ユンヒと、差出人ジュンを再会させようと、小樽への旅行を計画する。

女性が女性を好きになることに対する、世間の冬の時代から、少しずつ雪解けしていくであろう期待を描いていた(物語全体を通せば)。抑制された表現であるため、感動は静かに拡がる。

小樽を舞台の一つに選んでいることからも、日本への親和性が高めということで、物語も自然に身体に入ってくる。

春へ向かっているとは思うが、まだ冬である禁断の恋。昔の日本で言えば、身分違いの恋(異性恋愛となるが)。遠い未来には、どんな禁断の恋が待っていようか。

この映画本では、ライターさんらによる「韓国女性映画ベストテン(各ライター)」があり、その後の話し合いなのか分からないが「韓国女性映画ベストテン(総合)」もある。以下、総合の選定。

・『サニー 永遠の仲間たち』カン・ヒョンチョル監督(2011)
・『私の少女』チョン・ジュリ監督(2014)
・『明日へ』プ・ジヨン監督(2014)
・『お嬢さん』パク・チャヌク監督(2016)
・『金子文子と朴烈』イ・ジェニク監督(2017)
・『はちどり』キム・ボラ監督(2018)
・『逃げた女』ホン・サンス監督(2020)
・『野球少女』チェ・ユンテ監督(2019)
・『ユンヒへ』イム・デヒョン監督(2019)
・『バウンダリー:火花フェミ・アクション』ユン・ガヒョン監督(2021)

「韓国女性映画」 P. 99

上記中、8作品観たが、選定される作品だと思う。
(映画ライターの方々が選んでいるわけですから当然ですね。)
一週間ほど前に、『金子文子と朴烈』を観た。
関東大震災後、在日朝鮮人の虐殺があり、その頃のお話。ひとつの反日映画であるが、金子ふみ子(日本人)による、裁判での天皇制批判が聞きどころ、かと(個人的に)。しかし、映画を史実と同じだと思うのは、被洗脳の一歩であり、もう少し調査が必要となる。
「何が私をこうさせたか(筑摩叢書 1984)」は、金子ふみ子の獄中記。
(1984年発行なので、旧漢字ではないので、読めそう。
 筑摩叢書は、旧漢字の場合が多かった。)