読む・観る「韓国女性映画」夏目深雪[編](河出書房新社 2022)
さきほど、この本の表紙となっている映画「ユンヒ」(監督・脚本:イム・デヒョン)を観た。
物語。母娘の二人暮らし。母ユンヒ宛ての手紙を読んでしまう娘セボム。
娘セボムは、母ユンヒと、差出人ジュンを再会させようと、小樽への旅行を計画する。
女性が女性を好きになることに対する、世間の冬の時代から、少しずつ雪解けしていくであろう期待を描いていた(物語全体を通せば)。抑制された表現であるため、感動は静かに拡がる。
小樽を舞台の一つに選んでいることからも、日本への親和性が高めということで、物語も自然に身体に入ってくる。
春へ向かっているとは思うが、まだ冬である禁断の恋。昔の日本で言えば、身分違いの恋(異性恋愛となるが)。遠い未来には、どんな禁断の恋が待っていようか。
この映画本では、ライターさんらによる「韓国女性映画ベストテン(各ライター)」があり、その後の話し合いなのか分からないが「韓国女性映画ベストテン(総合)」もある。以下、総合の選定。
上記中、8作品観たが、選定される作品だと思う。
(映画ライターの方々が選んでいるわけですから当然ですね。)
一週間ほど前に、『金子文子と朴烈』を観た。
関東大震災後、在日朝鮮人の虐殺があり、その頃のお話。ひとつの反日映画であるが、金子ふみ子(日本人)による、裁判での天皇制批判が聞きどころ、かと(個人的に)。しかし、映画を史実と同じだと思うのは、被洗脳の一歩であり、もう少し調査が必要となる。
「何が私をこうさせたか(筑摩叢書 1984)」は、金子ふみ子の獄中記。
(1984年発行なので、旧漢字ではないので、読めそう。
筑摩叢書は、旧漢字の場合が多かった。)