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頭に残った言葉
「なんでずっと今のままでいられないんだろうね」
1年前、皆が「良かった」と言っていた作品。
ストイックという言葉で表現されていたり。
もう、今更ですが、アマゾン・プライムでは「今更」が今日です。
少し高級感のある小料理屋のおかみさん(石川さゆり)さんのセリフ。
表面上は男女間の事情に対する思い。
しかし、変わらずにはいられないのが、万物の性質。
「今度は今度、今は今。」
主人公の姪が、「海へ行こう」と誘うが、先延ばしとする。
「今」から時間が経って「今度」が来る。
しかし、その時間間隔は分断されている。
この瞬間「今」こそすべて。「今度」というのは訪れない「今」。
「分からない事だらけだなぁ。
結局分からないまま、終わっちゃうんだろうなぁ。」
主人公の贔屓にする高級小料理屋のおかみさんの、元旦那のセリフ。
癌が転移して時間に限りがある。
死の直前、万人が抱くであろう思い。この世界の謎。
ニーナ・シモンの音楽が流れてきたので、エンディングの近づきを知る。
曲名、なんだったかなぁの数秒後、作品名に気付く。反応遅し。
(12/22追記: 勘違いしてた。曲名「フィーリング・グッド」)
あの世とこの世の堺に住む人たちが度々現れていた。
トリックスターだ。
白黒はっきりさせようという世界は、
トリックスターには住みずらいので、いなくなってしまう。
映画では、10日くらいの起床が繰り返される。
意識で見る世界と、就寝後の無意識下の世界の、繰り返し。
不完全さを含めた、パーフェクト・デイズ。
サッチモ(ジャズ)の「この素晴らしき世界」も、
素晴らしくない事も含んでいるのかも。
らせん状に繰り返される日常の映画「ニーチェの馬」を思い出した。
はじめ「清掃を極める清掃道」の話かと思いながら見始めた。
この世とあの世の連続であり、また、不連続も描かれている、
と思いました。
おしまい