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一秒前(神経生物学)

リバタリアン「アイン・ランド」研究家の藤森かよこさんのブログで
人の自由意志を否定する「決定論」の本を取り上げていた。
いつ頃だったか。

読み始めたが、中断している。

もう1冊の「決定論」を読んでいるので。

藤森かよこさんのブログを読んでいる時は、
「決定論」「運命論」で確定してしまうのは抵抗があった。
極端な例になるかもしれないが、
占星術では、生まれた惑星の位置が、人に影響する。
でも、それは初期設定なので、初期決定が全てではない、という解釈。

ある程度の「決定」があって、あとは環境影響もあるよとか、
そんな感じだと受け取りやすいんだけど。

「決定論」は言い過ぎだろう、と考えていたのだが。
少し興味のある動画を見てしまった。

序章
第1章 行動(本書の問題意識)
第2章 一秒前(神経生物学)
第3章 数秒から数分前(動物行動学)
第4章 数時間から数日前(内分泌学)
第5章 数日から数か月前(ふたたび神経生物学)
第6章 青年期――おい、おれの前頭葉はどこだ?(脳科学)
第7章 ゆりかごへ、そして子宮へ戻る(発達心理学)
第8章 受精卵まで戻る(遺伝学)
第9章 数百年から数千年前(文化人類学)
第10章 行動の進化(進化生物学)

Amazon.co.jp: 善と悪の生物学(上) 何がヒトを動かしているのか eBook : ロバート・M・サポルスキー, 大田 直子: Kindleストア

第2章から興味が出てきた。目次によると、神経生物学。
著者のロバート・M・サポルスキーの専門は、
神経生物学と霊長類学。
上下2巻。まだ読み始めの100頁くらい。

メインの話ではなく、音楽の話のついての流れを、書き残しておく。

「前頭葉は、それが正しい行動であるとき、より難しいほうを選ばせる」。

第2章 一秒前 P. 94

より難しいほうを選ぶための意欲のようなものを、
前頭葉ではどこで得るのだろう?
これを知るために、
最後の領域、脳内のドーパミンに反応する「報酬」系を見ていこう。

第2章 一秒前 P. 96

私たちが関心をもっているドーパミン作動系は、
脳幹近くの進化的に保存された古い領域に端を発する。
その領域は腹側被害野と呼ばれる。
そこのドーパミン作動性ニューロンの主要な標的は側坐核である。
(・・・)
(中脳)の被覆は側坐核と(ほかの)辺縁系領域、たとえば偏桃体や海馬に投射を送る。これらをまとめて「中脳辺縁系ドーパミン経路」と呼ぶ。

第2章 一秒前 P. 97

中脳辺縁系ドーパミン経路は、美意識の快感にも反応する。ある研究では、被験者が知らない音楽を聴かされた。側坐核が活性化すればするほど、
被験者はあとでその音楽を買う傾向が強かった。

第2章 一秒前 P. 98

本筋の話から反れている内容なんですけど、
そう言えば、最近、CDを買っていないので、
側坐核が活性化していないかなぁなどと考えつつ。

ドーパミン作動系は報酬に携わる。
さまざまな快い刺激が被覆のニューロンを活性化し、
そこからのドーパミン放出を引き起こすのだ。
(・・・)
コカイン、ヘロインのような薬物やアルコールは、
側坐核でドーパミンを放出する。
(・・・)
セックスのように、
研究されているあらゆる動物種でドーパミンを放出する報酬もある。
(・・・)
食べものはすべての種の飢えた個体でドーパミン放出を引き起こすが、
ヒトではひねりが加わる。
ミルクシェイクを飲んだばかりの人にその写真を見せると、
ドーパミン作動系はほとんど活性化しない。飽き飽きしているのだ。

第2章 一秒前 P. 98

さて、神経生物学の次の章「数秒から数分前(動物行動学)」は、
楽しめるだろうか?