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ちょい読み 2025/ 2/12
・ 『想像力』 内田伸子 著(講談社現代新書 1994)
【千夜千冊・以外】 106 / 254 頁
たいていの子どもはある時期、語りに熱中する。
もし「子どもってこんなに語れるのかしら」と半信半疑の大人や、
「こんなに語るのを聞いたことがない」という大人がいたとしたら、
それはその大人が聞く耳をもたないためである。
大人や仲間が共感的に耳を傾けるとき、
単に「聞く」という受動の行為が、
「聞いてあげる」「聞かせていただく」という能動の行為に変わったとき、
どの子どもも雄弁な語り手になるのである。
みんな、それぞれの物語をつくっていく。自分の人生の物語。
内省的になれる年ごろならば、自分と対話をし、
物語をつくれるかもしれない。
でも、小さい子は、誰かが、「自分の(つくった)物語」をきいてくれるのを願っている。聴いてくれる人がいて、いずれ、自分の(現実の)物語を
つむいでいける。。。かと思う。
まぁ、小さい頃の私には無かったし、そんな親は少数派なのだろうか。
・ 『イメージ連想の文化誌』 山下主一郎 著(新曜者社 2001)
ー 髑髏・男根・キリスト・ライオン ー
【千夜千冊・関連】 72 / 213 頁
副題に、髑髏と男根が入ってます。
内容もその事に関連します。ご了承ください。
頭蓋骨と交叉する二本の大腿骨
(・・・)
今からおよそ200年ほど前の海賊船の旗じるし
(・・・)
なぜ二本の交叉した大腿骨が加わっているのであろうか。
(・・・)
腿はしばしば男根(ペニス)を象徴するものとして用いられる。
そこから、腿は創造力、生殖、力を表わす。
頭蓋骨と交叉した大腿骨(海賊船の旗)は生命力の根源となるふたつのもの
(・・・)
腿から生まれたこのデュオニュソスの話は、
腿がペニスという生殖器に近い身体部位であるから、
まだしもという感があるが、同じゼウスが、今度は、
なんと頭からも子を生んでいるのである。アテナ生誕の神話である。
頭から子を生む ーサムソンとアテナの話
なぜ、頭が生命力の根源となるのであろうか。
(・・・)
髪ー頭ー生命力ー力のイメージ連想がある。
(・・・)
イメージ連想は心に訴える力をもつ
目ー睾丸のイメージ連想
目をえぐり取られるということは、去勢されること、
つまり、睾丸を抜きとられることを言っている
(・・・)
オイディプスが両眼をえぐったのは、
心ならずも実の母と性交した罪を償うために、去勢したことをいう
(・・・)
オイディプスという名前は「腫れた足」という意味
踵(かかと)にまつわる神話
人間は踵を大地につけて歩き、そして生きていく。
しかし、踵が大地につくということは、一方で、太陽が沈んで大地につく、
つまり「日没」を象徴するのである。
そして「日没」は死をイメージ連想させる。
エジプト神話のイメージ解釈
エジプト人の最大の願いは死後再生することと、
死んでからゆくあの世で永遠の生を得ること
(・・・)
オシリスが二度殺されてその肉体が捨てられたが、
二度とも拾い集められたことは、再生のイメージ
冥界降りのイメージを解く
冥界の王とは何を意味し、
その王はなぜ永遠の生を得ることができるのであろうか。
(・・・)
生きている人間の地獄降りは英雄のイニシエーションの特徴であり、
その目的は不老不死を獲得するにある
オシリスの男根はなぜ見つからなかったか
(・・・)
枯死から発芽の過程が地中で行われることを、
エジプト人は暗い世界、つまり、冥界で行われる、と思った。
それは、太陽が没しても(=死、枯死)、
朝になると、また昇ってくる(=再生、発芽)という自然現象と
ぴったり一致する。
太陽も夜という暗い世界に入って、そこで再生の準備をする。
植物も同じで、暗い地下世界で再生の準備をする。
いやぁ、表紙が髑髏マークなので、
無意識的に手にしなかったと思われるが、
「イメージ連想」のこと、なかなか面白い。
著書に、『シンボルの博物学』、『シンボルの誕生』があり、
著者の訳書に、『イメージ・シンボル事典』、『神話・伝承事典』、
『神話のイメージ』、『エジプト神話シンボル事典』、
『西欧絵画に見る天国と地獄』があり、「シンボル」にかなりお詳しい。
ちょっと長めに書き出してしまった。
この後、イエスの誕生日の話になっていく。
12/25を、イエスの誕生日に決めようという話に。