「何で確定申告しないの?」逆に聞きたい
私は、社会人(サラリーマン)になってほどなくして、親の医療費がたくさんかかるようになって、医療費控除のため、所得税の確定申告をするようになり、以後、ずっと確定申告のお世話になっております。
※社会人になって、数年のうちに、両親をがんで亡くしています。
サラリーマンの場合、所得税の確定は、勤務先で行う年末調整で、ほぼ済んでしまいますので、多くの方が、確定申告をせずに、サラリーマン人生を終えてしまいます。
私は、保険周りの税務に関する講師を担当していたこともあり、税務知識はそれなりにありますが、ものすごく不思議なことに、同じ業務を担当していた人であっても、この確定申告をしないのが、通常モードになっている人がいるんですね。
だって、税務のテキストの冒頭には、「税の優遇措置は、確定申告などの届け出により行われるため、税務知識を知らずに、そのような届け出をしないことは、損失につながる。」と、記載してあるんですよ。
よくサラリーマンの人で、「税金(所得税・住民税)が高い。」などと言う人がいますが、イメージで言っているんじゃないのって、感じることがありますよ。
なぜかと言うと、自分の所得税や住民税をしっかり把握していないことがほとんどと思われるからです。
※ご自身の所得税の源泉徴収票を、しっかりご覧になっていますか? 住民税の特別徴収税額をしっかり把握されていますか?
所得税と住民税は、連動しており、住民税は翌年度課税になっておりますから、単純に言うと、課税所得を下げれば、所得税と住民税は、下げることができるのですね。
サラリーマンは、給与所得を、源泉徴収を通じて、完全に税務当局に捕捉されていますので、そこを操作することはできません。
※つまり、給与所得に必要経費を上乗せするなどの行為は、普通、無理です。
しかしながら、全く合法的に、確定申告により、所得税額や引いては住民税額を下げることは可能なのです。
※これから指摘することは、違法行為ではありません。国民の正当な権利です。
典型的なのが、医療費控除です。冒頭に、親の医療費を負担して、その医療費控除のために、確定申告を行ったと言いました。
医療費控除は、家計を共にする親族の分を支払っても、自身の分と合算して、申告可能ですからね。
ちなみに、私の母は、末期がんの患者が終末期に入院する医療施設である「ホスピス」に入院し、何と10か月も生存し、ホスピスの医療費だけでも、かなりかかりました。
※ちなみに、当時、ホスピスの在院日数は、40日程度と言われており、いかに、母が終末期長く生きたか、わかると思います。
なお、医療費控除の上限は、200万円であり、上限を超えたら、そこで止まります。
さらに言うと、生命保険等で、補填される金額があれば、医療費控除からマイナスしないといけません。
医療費控除は、ドラッグストアで購入する風邪薬などの医薬品でも適用できますから、私は、ちゃんと取っておき、毎年、適用を受けていますよ。
あと、個人的な志向にもよりますが、私は、社会的活動に意義のある団体に、毎月、継続的にクレジットカード経由の寄付を行っており(「マンスリー・サポート」と言います。)、これも確定申告によらないと、寄附金控除の適用が受けられません。
※母校である東京大学基金への寄付は、総額が30万円を超え、安田講堂に記銘版が掲示されることになりました。
また、国際的な人道危機に対応する日本ユニセフ協会に対しては、10年以上の寄付継続により、昨年、感謝状が届きました。
ちなみに、クレジットカードによる寄付では、そのポイントも貯まります。
健康と社会正義にも役だって、節税にもなる、確定申告をしないのはもったいないです。