映画『サイレントラブ』マジ良かった!
東京は昨夕からの雪も降り止み、朝の家の前の雪かきも終え、映画館に向かいました。
ニュースなどでは、「不要不急の外出は控えるように」と言っていましたが、雪かきの感覚では、水分の多いしっとりした雪であり、溶けやすいだろうという感じを持ちました。
今日の映画は、主演、山田涼介・浜辺美波の『Silent Love サイレントラブ』です。
私は、何だかんだで、浜辺美波の映画を結構見ているのですが、この1年の中で、NHKの朝ドラ『らんまん』と映画『シン・仮面ライダー』と映画『ゴジラ -1.0』のヒロインを立て続けにやり、そして、この映画でしょ。
一体、どれだけ主役を張っているのだ、そして、どれもこれも大ヒットしているのだ、あまりにすごすぎやしないかい、とびっくりです。
映画『ゴジラ -1.0』は、アカデミー賞ノミネート作品となり、今や世界的な活躍と言っても過言ではないんですね。
立て続けの作品公開のため、今回の作品は、小品で、あんまり大したことがないのかなと思って観たのが、だいぶ、外れました。
声を失い、夢も失った不良少年上がりの校務員の沢田蒼(山田涼介)と、事故により、視力を失いつつあるピアノ科専攻の音大生の甚内美夏(浜辺美波)が、美夏の自殺未遂をきっかけに知り合うのです。
二人は、全く生きる世界が違うのですね。
蒼は、不良少年上がりで、前科もある結構厳しい世界の住人ですが、美夏は、運転手付きの自家用車を持つようなリッチな家庭の出身で、光を失いつつある中でも、絶対にピアニストになるという夢を失わないという、ある意味、相当に強い意思を持った女性を演じています。
浜辺美波は、この強い意思を持った美夏役を演じるにあたり、ショートカットが似合うイメージの彼女が、よりショートカットにして役に臨んだというのですね。
蒼は声が出せず、美夏は光を失いつつあるわけですから、主役の二人の会話は、-蒼から話せるはずもなく-極限まで、少なくなっています。
蒼から、美夏に意思を伝える方法は、美夏の手にそっと触れる人差し指(YESは1回、NOは2回触れる)と、ガムランポール(鈴)の音色だけという、主役の蒼のセリフは、本当に「ゼロ」なんです。
昨年末に見た映画『PERFECT DAYS』でも、主役の平山役の役所広司は、公共トイレの清掃員を演じていましたが、これもセリフが極端に少なかったです。
世の中に通底する概念として、校務員とか、清掃員という仕事に就く方は、寡黙であるという認識があるのでしょうか。
どちらの映画でも、解説なり、劇中のセリフなりで、「透明人間のように」扱われるという言葉が出て来たのを思い出しました。
SNSなど、情報が過多となっている現在社会において、このような情報を極限まで絞り込んで、ラブ・ストーリーを語るというのは、何だかものすごい話だなと感じました。
蒼は、常に、美夏を守るのです。文字どおり、身を挺して、守るのです。自分にはもうない夢を、美夏に叶えてもらうために…。
全てを背負って、蒼は身を隠すのですが、最後は、「…良かった。」です。
静かな純愛物語ですが、最後、戻るべきところに戻って来て良かったです。
ちなみに、浜辺美波は、ピアノ科の音大生の役ですが、ピアノを弾く練習をみっちりやったんだとか。役者って、一体全体、どういう根性があるんだろうと思いますね。
『ゴジラ -1.0』に比べれば、小品かもしれませんが、ジーンと来て、オススメですよ。