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ドラマプレミアム『新・暴れん坊将軍』
昨年の年末に、話題になっているインディーズ映画『侍タイムスリッパー』を観て、時代劇っていいもんだな、その火を絶やしてはいけないかも、と感じるようになりました。
その映画『侍タイムスリッパー』でも、劇中、その名が登場していた『暴れん坊将軍』が、今年の新春、1/4に、17年ぶりにテレビ放送に帰って来て、放送されました。
映画『侍タイムスリッパー』でも、言われていたように、時代劇は風前の灯火と言われ、テレビ放送でも、いわゆる勧善懲悪ものの時代劇というのは、再放送以外、見ることはなくなっていました。
『暴れん坊将軍』は、テレビ時代劇史に燦然と輝く名作ですので、復活ということもあり、日頃はテレビを付けて見ることがない私が、時間を心待ちにして見てしまいました。
主人公・八代将軍・徳川吉宗を演じるのは、ご存知、松平健。最近は、マツケンサンバⅡで知っている人も多いかもしれません。
徳川吉宗が、江戸市中に出没し、貧乏旗本の三男坊・徳田新之介、通称“新さん”として、庶民の暮らしにまぎれながら、江戸にはびこる悪を討つ時代劇なんです。
『暴れん坊将軍』のテーマ曲も、聞き覚えのある方は多いのではないでしょうか。「テヶテェー、テェーテェーテェーテェーッ!!」(音写、ヘタすぎでしょ(^^;))
17年前までは、青年吉宗を演じる役でしたが、今回は、お世継ぎ問題を抱える3人の男子のお父さん役なんです。もう、吉宗も50代になっている設定です。
嫡男・家重(西畑大吾)は、病のために右腕が動かず、顔にもこわばりがあり、なめらかに話すことができなかったため、城内には廃嫡を望む声も多かったのです。
それに乗じて、尾張徳川家の尾張藩七代藩主徳川宗春(GACKT)が、後継の将軍職を狙うという構図です。
ところが、市中に出た吉宗が、騒動に巻き込まれた女性を助ける際に、同じく女性を助けるために、洋剣“レイピア”を左手で華麗に操る商家の三男坊“徳長福太郎(とくなが・とみたろう)”に出会い、自身の嫡男・家重だと気付くのです。
実は、家重は、側用人の大岡忠光(江戸南町奉行・大岡忠相の息子)の介護・特訓により、右手が不自由ながら、武術を身に付け、江戸のべらんめえ調であれば、言葉を話すことができるようになっていたのです。
ドラマでは、吉宗と家重の大立ち回りが、見もので、役者としての家重は、利き腕が右手にもかかわらず、それを封じて、左手のみで立ち回りをするという難度の高いミッションだった模様です。
そんな状況ながら、不自然さは感じさせず、親子の確執も乗り越えていくという話の流れは、なかなかいいものでした。
調べてみると、家重は、九代将軍になっているのですね。
史実上も、脳性麻痺ではなかったかと言われており、実際に、お世継ぎ問題で優秀な二男・三男との間で、かなりもめた模様です。
しかしながら、吉宗自体が、紀州徳川家からやって来たというお世継ぎ問題を乗り越えた過去があったため、敢えて、規律に則って、嫡男の家重を将軍に据えたようなんですね。
ただし、吉宗は、その後も、大御所として、実権は握っていたようではありますが…。
家重は、決して有名な将軍ではありませんが、吉宗の治政の名残りを受け、まずまず無事の在位16年を過ごしたと言われています。
人によっては、名君ではなかったかという人もいますので、ドラマの設定は、なかなか絶妙な設定と言えましょう。
ネットを覗いてみると、昨晩のドラマは高評価のようで、私もシリーズ化して欲しいなと思ったりして。いいんじゃないでしょうか。