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学習/発達論の展開のブックレビュー

(2020.07.03に書いたブログ記事を転記したものです)

 『パフォーマンス心理学入門』(新曜社)第1章の図1「学習/発達論の展開」に関連する書籍を日本語を中心にまとめました(2020.07.03現在)。

 参考にした文献は以下です。引用文献から関連しそうな書籍を抜き出しました。

スタンダード学習心理学』の第1章,第3章,第4章,第5章。

佐伯 胖(2014).そもそも「学ぶ」とはどういうことか──正統的周辺参加論の前と後── 組織科学,48(2),38-49.

木林 理恵・金 銀美(2006).学習に対する状況論的アプローチについての基礎文献報告

香川 秀太(2011).状況論の拡大──状況的学習,文脈横断,そして共同体間の「境界」を問う議論へ── 認知科学,18(4),604-623.

文献一覧

Becker, H. S. (1963). Outsiders: Studies in the sociology of deviance. Free Press. (村上 直之(訳)(1993).新装 アウトサイダーズ──ラベリング理論とはなにか── 新泉社)

Cole, M., & Scribner, S. (1974). Culture and thought: A psychological introduction. NY: Wiley. (若井 邦夫(訳)(1982).文化と思考──認知心理学的考察── サイエンス社)

Wertsch, J. (Ed.) (1985). Culture, communication, and cognition: Vygotskian perspectives. University of Cambridge.

Rogoff, B., & Lave, J. (Eds.) (1984). Everyday cognition: Its development in social context. Cambridge, MA: Harvard University Press.

Suchman, L. (1987). Plans and situated actions: The problem of human-machine communication. Cambridge, NY: Cambridge University Press.(上野 直樹・水川 喜文・鈴木 栄幸(訳)(1999).プランと状況的行為──人間-機会コミュニケーションの可能性── 産業図書)

茂呂 雄二(1988).なぜ人は書くのか 東京大学出版会

Engeström, Y. (1987). Learning by expanding: An activity-theoretical approach to developmental research. Orientalists-Konsultit Oy. (山住 勝弘(訳)(2020).拡張による学習──発達研究への活動理論からのアプローチ── [完訳増補版] 新曜社)
*Learning by expandingはSecond Ed.が出版されている。
*拡張による学習(旧版)は部分訳で山住他によって1999年に刊行されている。

Lave, J. (1988). Cognition in practice: Mind, mathematics and culture in everyday life. Cambridge University Press. (無藤 隆・山下 清美・中野 茂・中村 美代子(訳)(1995).日常生活の認知行動──ひとは日常生活でどう計算し,実践するか── 新曜社)

Gasser, L., & Huhns, M. N. (Eds.) (1989). Distributed artificial intelligence. Morgan Kaufmann.

Lave, J., & Wnger, E. (1991). Situated learning: Legitimate peripheral participation. Cambridge, NY: Cambridge University Press. (佐伯 胖(訳)(1993).状況に埋め込まれた学習──正統的周辺参加── 産業図書)

Jordan, B. (1993). Birth in four cultures: A cross-cultural investigation of childbirth in Yucatan, Holland, Sweden, and the United States. Prospect Heights, IL: Waveland Press. (宮崎 清孝・滝沢 美津子(訳)(2001).助産の文化人類学 日本看護協会出版会)

Salomon, G. (1993). Distributed cognitions: Psychological and educational considerations. NY: Cambridge University Press. (松田 文子(監訳)(2004).分散認知──心理学的考察と教育実践上の意義── 協同出版)

Wertsh, J. V. (1993). Voices of the mind: Sociocultural approach to mediated action. Cambridge, Massachusetts: Harvard University Press. (田島 信元・佐藤 公治・茂呂 雄二・上村 佳世子(訳)(2004).心の声──媒介された行為への社会文化的アプローチ── [新装版] 福村書店)

Wertsh, J. V., del Rio, P., & Alvarez, A. (Eds.) (1995). Sociocultural studies of mind. NY: Cambridge University Press.

Cole, M. (1996). Cultural psychology: A once and future discipline. Cambridge: Harvard University Press. (天野 清(訳)(2002).文化心理学──発達・認知・活動への社会・歴史的アプローチ── 新曜社)

波多野 誼余夫(編)(1996).学習と発達 東京大学出版会

Østerlund, C. S. (1996). Learning across context: A field study of salespeople’s learning to work. Aarhus, Denmark: Aarhus University, Psykologisk Institut.

Wertsch, J. V. (1993). Mind as action. Oxford University Press. (佐藤 公治・田島 信元・黒須 俊夫・石橋 由美・上村 佳代子(2002).行為としての心 北大路書房)

Newman, F., & Holzman, L. (1996). Unscientific psychology: A cultural-performatory approach to understanding human life. London: Praeger.

Engeström, Y., Miettinen, R., & Punamaki, R-L. (Eds.) (1999). Perspectives on activity theory. NY: Cambridge University Press.

茂呂 雄二(1999).具体性のヴィゴツキー 金子書房

上野 直樹(1999).仕事の中での学習──状況論的アプローチ── 東京大学出版会

Holzman, L., & Morss, J. (2000). Unscientific psychologies, societal practice and political life. NY: Routledge.

加藤 浩・有元 典文(編)(2001).認知的道具のデザイン 金子書房
*状況論的アプローチシリーズの2巻目

茂呂 雄二(編).(2001).実践のエスノグラフィ 金子書房
*状況論的アプローチシリーズの3巻目

上野 直樹(編)(2001).状況のインタフェース 金子書房
*状況論的アプローチシリーズの1巻目

Wenger, E., McDermott, R. A., & Snyder, W. (2002). Cultivating communities of practice: A guide to managing knowledge. Harvard Business School Press. (櫻井 祐子(訳)(2002).コミュニティ・オブ・プラクティス──ナレッジ社会の新たな知識形態の実践── 翔泳社)

田島 信元(2003).共同行為としての学習・発達──社会文化的アプローチの視座── 金子書房

Tuomi-Gröhn, T., & Engeström, Y. (Eds.) (2003). Between school and work: New perspectives on transfer and boundary-crossing. NY: Earli.

石黒広昭(編)(2004).社会文化的アプローチの実際──学習活動の理解と変革のエスノグラフィー── 北大路書房

Latour, B. (2005). Reassembling the social: An introduction to Actor-Network-Theory. UK: Oxford University Press. (伊藤 嘉高(訳)(2019).社会的なものを組み直す──アクターネットワーク理論入門── 法政大学出版局)

松嶋 秀明(2005).関係性のなかの非行少年──更生保護施設のエスノグラフィーから── 新曜社

Gergen, K. J. (2006). Therapeutic reality: Collaboration, oppression, and relational flow. Lima Ohio: Fairway Press.

上野 直樹・土橋 臣吾(編)(2006).科学技術実践のフィールドワーク──ハイブリッドのデザイン── せりか書房

上野 直樹・ソーヤー りえこ(編)(2006).文化と状況的学習──実践,言語,人工物へのアクセスのデザイン── 凡人社

杉万 俊夫(編)(2006).コミュニティのグループダイナミックス 京都大学学術出版会

Suchman, L. (2007). Human-machine reconfigurations: Plans and situated actions, 2nd edition. UK: Cambridge University Press.

Engeström, Y. (2008). From team to knots: Activity-theoretical studies of collaboration and learning at work. Cambridge: Cambridge University Press. (山住 勝広・山住 勝利・蓮見 二郎(訳)(2013).ノットワークする活動理論──チームから結び目へ── 新曜社)

山住 勝広・エンゲストローム,Y.(2008).ノットワーキング──結び合う人間活動の創造へ── 新曜社

Daniels, H., & Gutierez, K. (Eds.) (2009). Learning and expanding with activity theory. Cambridge, UK: Cambridge University Press.

Holzman, L. (2009). Vygotsky at work and play. NY: Routlege. (茂呂 雄二(訳)(2014)遊ぶヴィゴツキー──生成の心理学へ── 新曜社

Fatenwick, T., & Edwards, R. (2010). Actor-network theory in education. London: Routledge.

福島 真人(2010).学習の生態学──リスク・実験・高信頼性── 東京大学出版会

Newman, F., & Goldberg, P. (2010). Let’s develop!: A guide to continuous personal growth. NY: Castillo International. (茂呂 雄二・郡司 菜津美・城間 祥子・有元 典文(訳)(2019).みんなの発達!──ニューマン博士の成長と発達のガイドブック── 新曜社)

茂呂 雄二・田島 充士・城間 祥子(編)(2011).社会と文化の心理学──ヴィゴツキーに学ぶ── 世界思想社

有元 典文・岡部 大介(2013).デザインド・リアリティ[増補版]──集合的達成の心理学── 北樹出版

伊藤 昌子(編)(2013).コミュニケーションの認知心理学 ナカニシヤ出版

Newman, F., & Holzman, L. (2014). Lev Vygotsky: Revolutionary scientist (Classic Editions). NY: Psychology Press.

香川 秀太・青山 征彦(2015).越境する対話と学び──異質な人・組織・コミュニティをつなぐ── 新曜社

石黒 広昭(2016).子どもたちは教室で何を学ぶのか──教育実践論から学習実践論へ 東京大学出版会

Salit, C. R. (2016). Performance breakthrough: A radical approach to success at work. NY: Hachette Books. (門脇 弘典(訳)(2016).パフォーマンス・ブレークスルー 壁を破る力──今そこにある限界がみるみる消える!驚異のメソッド── 徳間書店)

雑感

 本当は本同士のつながりを描こうと思ってまとめ始めたのですが,思ったより多くの文献情報を集めてしまいました。ですので,本同士のつながり(系譜)はまたいずれまとめなおすことにします。

 社会心理学でいう社会構築主義とのつながりも意識してまとめられたらなあと思っています。

付記

 私が状況論を学ぶとき,手探りで学び始めたので,押さえるべき状況論の書籍を押さえられていないと思います。ですので,学習/発達論,状況論として,「この書籍が抜けている!」とか「この書籍はちょっと違うのでは?」など何か情報があれば,コメント欄あるいは,TwitterのDMやInstaのDMなどで教えていただけますと幸いです。

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仲嶺真
ただそばにいることがサポートなのかなと思っています。また見に来てください。気が向いたときにご支援お願いします。