開催記録|『人類学とは何か』を読む@オンライン
(2023.02.27のブログ記事を転載したものです)
先日、「『人類学とは何か』を読む @ オンライン」というテーマでオンラインによる読書会を開催しました。
心理学の目的の一つとして、「他者の理解」があります。実験、調査といういわゆる心理学研究法にとどまるだけでは他者を理解することはできず、「他者の理解」のためには、幅広い観点から「他者」について考える必要があります。
本書『人類学とは何か』は、「他者」について人類学の視角から考えるきっかけを与えてくれます。心理学を超えた、様々な分野の文献に触れることで、心理学の限界/境界を突破/拡張できるとともに、「心」についていっそう豊かなアイデアが育まれることと思います。
前回の読書会では、本書をリソースとして、「他者」や「心」について考える時間を作りたいと考え、企画いたしました。
以下はそのときの記録です。
研究会詳細
参加者:5名
開催日時:2023年1月21日(土)14時〜16時10分
当日の流れと感想
当日は(私の無茶振りで)会の共同運営者である渡邊さんから、本書の概要について簡単な説明が行われました。
その後、各自が読んだ感想や、疑問点などを共有し合い、対話の時間をゆっくりと作りました。
会の最初は(ほぼ)雑談で、その雑談を呼び水に、後半は感想・疑問について、「ああでもない、こうでもない」と対話する時間になりました。
なお、仲嶺からは「対象との距離化と他者を真剣に受け取ること」、「線形的思考と社会的なるもを再考する」はそれぞれ逆の極にあるのではないか、そして、心理学における他者を理解することの問題は(少なくとも)この2点にあるのではないか、という疑問を呈しました。
それぞれが他者の疑問をきっかけに(評価ではなく)対話していくことが、新しい考えの種になる。そんなことを気づかせてくれる時間でした。
次回の勉強会
次回は来年度(2023年4月以降)に開催予定です。詳細が決まり次第、改めてお知らせいたします。
次回も、みなさんとともに考えられることを楽しみにしています。
主催
DigRoom:「心」「人間」「心理学」について考える研究会です。
|本会は日本心理学会の研究集会等への助成による助成を受けています。