“好き”とは尊く、美しく、そして虚しい。
「何かを好きになることは心の穴を埋めること」
これは以前好きだったドラマのセリフであり、今でも何かあるたびに思い出す私にとって大切な言葉の1つだ。
今、私のぽっかり空いた穴を埋めてくれるものは間違いなくBTSだと思う。
彼等はきっとこの1年間、未知のウイルスと戦う世界中の人々の「ぽっかり空いた心の穴」を埋めてくれたに違いない。
そのうちの1人である私。
好きという感情は、心の穴を埋めると同時に底知れぬ虚無感も与えてくる。
どうしたって届かない存在であればあるほどに。
ただ「好き過ぎて辛い」という言葉があるように、その言葉通り、私はBTSという存在を好きになり果てしなく辛いのだと思う。
好きを表現することの美しさ
私がnoteを書きたいを思ったきっかけは、noteにBTSへの愛を独特の感性で綴るある女性の文章を読んだことだった。
私は彼女の綴る言葉を読むだけでなぜか涙が止まらなくなる。
1つは共感だと思うけれど、そんな浅い感情ではなくて、もっと言葉にならない部分で感動して泣いていると思う。
彼女の綴る言葉の美しさは人間の弱さや少しの汚い部分も感じられる、つまり生きた文章だ。
好きを語る文章は世の中にたくさんある。
だけど、彼女の綴る言葉には何かを好きになることへの「不安」や「虚無感」まで表現されていて、それが他の方たちの文章と違うのだと思った。
人が何かを「好き」だと思う、
その感情の尊さを痛感したのだ。
私は私の言葉でBTSを綴る
友人にDynamiteのMVを見せてもらったとき、これが防弾少年団なのか?と疑問に思った。
私の知っているBTSはバンタンであり、防弾少年団であり、K-POPアイドルだったから。
Dynamiteを聴き、まるでマイケルジャクソンじゃないかと思い何度も聴いた。
素敵な衣装をまとい英詞で歌うマイケルたちは、IDOLやDNA、FAKE LOVEのその人達とはまるで別人で、もっと知りたくなった。
多分、私はDynamiteが無ければBTSにハマるきっかけが無かったろうと思う。
大学生の頃、周りの友達が「バンタン!バンタン!」と言っていた中で私は邦ROCKばかり聴いていた。
KEYTALK、go!go!vanillas、THE ORAL CIGARETTES、04 Limited Sazabysなどなど、
あの頃はライブハウスに足繁く通って、夏と冬はフェスに行く日々だった。
地元の友達がバンタンにハマって、カラオケに行くたび、まま音でIDOLのMVを流していた時も私は全くハマらなかった。
その頃は音楽アプリのサブスクリプションのシステムができ始めた頃で、登録したてのLINE MUSICで音楽を雑食で聞く様になった。
当時、私はスペイン語を習ったことがきっかけで、レゲトンを聴くようにもなった。
特にOZUNAとNicky Jamが好きだった。
また何の偶然か、同時期にDespacitoが世界的にヒットし、日本にも一瞬謎のレゲトンウェーブがあったように思う。
(TIKTOKの影響もあるのだろうか、Daddy YankeeのDuraもヒットしていた印象。)
話がずれてしまったが、
出たてホヤホヤのサブスクを使い、
友達のカラオケ(まま音)の影響もあり、IDOL、DNA、FAKE LOVEは私のプレイリストにも入っていた。
音楽として、好きだった。
そして、時が経ち。
2020年、コロナ時代。
そのDynamiteという曲は、私の友人を介して私のところへやってきた。
MVにハマり、
他の曲のMVを見るようになり、
吉本新喜劇に出た時の動画を見て、、、
まさかこのタイミングでBTSを好きになるなんて。
好きになってからは後悔した。
もっと早いタイミングで好きになっていたら。
何度も何度も好きになるチャンスがあったはずなのに、どうして今なのかと。
でも、
今じゃなきゃ好きにならなかったのだろう。
そう思わせてくれた友人の一言がある。
それを紹介したい。
好きになる“タイミング”がある
私の中学からの友人は
「そういうのにはタイミングがある」
と言う。
好きになる“タイミング”があると。
きっと、私にもタイミングがきたのだろう。
初めはテテが気になり、
いつのまにかユンギの虜になっていたように。
ロックが好きだったのに
今はBTSの沼から抜け出せないように。
自分の成長や、心境に応じて
好みや嗜好は変わっていくものだから。
友人は私に続けた。
「なんで今好きになってしまったんやろうって思うの、わかるよ。私もそうやから。」
友人は何を好きになったのか。
非常に気になり、恐る恐る聞いてみた。
「何を好きになったの?」
「…レオナルド・ディカプリオやねんけどな」
『好きは自由で、尊い』
と、思う。
レオ様だってユンギだって
自分の“好きなもの”で心の穴を埋めている
きっとそうだから。