突然、両親が離婚した。
こんにちは、なつめです。
先日、久しぶりに電車に乗って都心へ出ました。
だんだんとビルが多くなっていく景色を眺めながら電車に揺られていると、会社員時代に毎日電車通勤していたことを思い出しました。
そこから芋づる式に過去のことを遡っていました。
わたしの人生には衝撃的だった、予想外の出来事が2つあります。
今日はそのうちの1つをお話しします。
両親が離婚した
わたしの両親は、わたしが19歳のときに離婚した。
当時のわたしは大学生。
家族3人で、父の地元である山形に住んでいた。
わたしから見る両親は、特に仲が良いわけでも悪いわけでもない。
言い合いはたまにしていたけど、家のなかがピリピリするような喧嘩はしたことがなかったと思う。
わたしが知らないだけかもしれないけど。
離婚の兆候は全然なくて。
たまに冗談で「離婚したらどっちについてくる?」みたいな会話はしたことがあったけど、まさかそれが現実になるなんて…。
離婚した理由は、母が宮城に住む祖母(母の母)の介護をしたい、ということだった。
でも。
本当は違う理由があると思っている。
母には他に好きな人がいたのだ。
見ていればわかる。
今後のわたしの生活について、母についていくか、父と残るか、わたし自身が決めることになった。
離婚の理由も、わたしがどうするのかをわたしに委ねることも、当時のわたしには全部、母の身勝手だと感じていた。
それまで反抗期がなかったわたしだったが、19歳になって母に反抗するようになった。
「これからどうするかは半年間考えさせて」と半ば母から逃げるように、勝手に新しいアルバイトを始めた。
母と一緒にいる時間を少しでも減らしたかったのか、自分でもお金を稼げるんだという自立みたいなことを示したかったのか、なんでその行動に至ったのか自分でも覚えていない。
離婚して3ヶ月が経ったその年の大晦日に、母はひとり、家を出て行った。
玄関で「じゃあね」「うん」と言って手を振った。
母と別れたあと、すぐにベッドに潜り込んで泣いたのを覚えている。
約束の半年が近づいても、わたしは母のもとに行くかどうか迷っていた。
地元には友達もいるし。
バイトも慣れてきたところだし。
そうやって迷っているタイミングで起きたのが東日本大震災だった。
「余震とか危ないし、こっちにいなよ」と父が言ってくれた。
結局わたしは、地元に残ることに決めた。
友達やバイトのこともそうだったけど、何よりもこっちがわたしの居場所だと感じたから。
母のもとに行っても、わたしの居場所はないと思った。
母はその頃、新しい人と同棲していたのだ。
母は被災して1週間ほど避難所で過ごしていたらしい。
車が水に浸かってダメになったり、しばらく大変な生活を強いられていたようなので心配はあったけど、わたしは母のもとにもう戻らなくていいや、とようやく決心がついたのだった。
それから十数年
それから十数年が経った。
両親が山形と宮城にそれぞれ別に住んでいるので、上京しているわたしは帰省が大変である。
母は結局その新しい人と再婚し、わたしには今、父親の違う弟がいる。
母の旦那さんは、わたしに対しても、わたしの息子に対しても優しい。良好な関係を築けている。
父は一人暮らし。
近くに父の実家があり、祖母(父の母)と叔父(父の兄)もいる。
わたしは就職で上京したけど、一年で辞めて新しい家族ができた。
みんなバラバラの未来、想像していなかった。
でも時間が経って、わたしも母親になって、ようやく当時の母の気持ちを慮れるようになったと思う。
想像していなかった未来でも、悪いことばかりではない。
あの当時に抱いた感情と経験が今のわたしをつくっている。
そう思えるから。