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【好きな本紹介 #2】大学でロレックスと出合ったお話 ~世界を食べよう!の本紹介と添えて~

皆様いかがお過ごしでしょうか。

先日私の好きな本を紹介した際にふと思いだしたことがある。

「すみません、ロレックスありますよ おひとついかがですか?」

確か、これは10年近く前の話だったと思う。高校まで地元に籠っていたような筆者が大学進学し、大学1年の夏にヨーロッパ旅行に出かけたことがきっかけで旅好きになっていた。
そしていろんな所を旅しては、その地元の食べ物を味わうことがいつしか趣味になってコロナ禍になるまでは毎年続いていたものである。
ド定番なものもあれば、地元の人しか行かないであろうお店でもどんどん足を運ぶのは今も昔も変わらない私の性分なのかもしれない。
もちろんこれはどこか異国のなんだが怪しげなお店の前に声をかけられたのではない。

実は東京、なんと東京外国語大学の構内で声をかけられたのだ。
この言葉だけ聞くと、「大学生でロレックスなんて、なんか怪しい投資話に乗せられたか?」と思うかもしれないが、そうではない。
これは東京外国語大学の大学祭(外大祭)で声をかけられたのだ。
「ロレックス?一体どういうことだ?」
当時私にはまったく理解できなかった。しかも値段は確か500円。
あまりの安さに筆者は即買いである。

…そのあとに出てきたものの話をする前に、今日皆さんにこの本を紹介したい。その本は「世界を食べよう!東京外国語大学の世界料理」である。

この本は東京外国語大学教授の沼野恭子さんが編者となり、多くの東京外国語大学教授の関係者が執筆者となって、世界中の様々な食文化を紹介している本である。
もちろん大学から出版している本らしく、内容堅めの文化研究もあれば、現地のレシピも織り交ぜられている所が初心者でもわかりやすかったので大学祭の時に購入した。
よく読んでみるとレシピのページに「食べたいだけ」とか「適量」とかそもそも分量がないところもある。おそらく作り方をヒアリングする際に分量が大雑把なところがあるのではないかと思う。ただ考えてみれば母や祖母が作る料理も調味料はその場の感覚というか、日ごろの勘で入れているのが、なぜかちょうどよい調和になっているのだろうなと。家庭料理とはそういうものなのかなと思わせるところが、さすが文化研究であるのだなと感じた。
何といっても単に料理を紹介だけにとどまらず、その地元の方の食事風景の描写が生き生きと描かれているページもあれば、世界各国の「寿司」の写真が書かれているところもあって、「食」というキーワードを基にその国の文化の一端を知ることができる。
これを読んでみると旅をして、食を楽しむことがいかに愉快で、有意義な「異文化体験」であることがよくわかる本である。
そしてますます「胃袋」を通じて世界を知りたくなってしまうそんな時間にしてくれるのである。

…ロレックスが私のものにやってきた。
もちろん時計ではない。目の前にあるのはブリトーのような小麦粉で出来た薄い生地で刻んだ野菜が包まれていることがわかった。

一口がぶっと食べてみた。

一口食べてみると中からは半熟卵が!

持っちりとした生地とトロッとした半熟卵がちゃんと絡んでいる。

…とてもおいしいではないか!

どうやらこれは東アフリカのウガンダの郷土料理のようである。

ロレックスという名前は” Rolled Eggs (生地などで包んだ卵)”という料理名が現地ではロレックス(Rolex)と短縮した名前で呼ばれているのだと後から知った。

考えてみれば、まだまだ知らない料理がいっぱいある。
これからどのくらいまだ見ぬ知らない料理と出合うのだろうか。
もちろん海外に行って味わうのが手っ取り早いのだが、今後さっきの本にある料理を作って食べてみようかなと。

今日はこの辺でお開きとします。
今年も大変お世話になりました。来年もどうぞよろしくお願いします。
お相手は旅好きのなおゆーでした。

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