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わちゃわちゃした日々。再読「ニシノユキヒコの恋と冒険」
何かと気忙しいばかりの、わちゃわちゃした日々。
書きかけのnoteも完成できないままに、積み重なっていく。文章を書くにしても、新しい本を読むにしても、心構えや、ひとかたまりの時間や、体力もいる。
こんな時には、むかし読んで好きだった本の再読がいい。「ニシノユキヒコの恋と冒険」川上弘美。
ニシノユキヒコ。モテモテで、大きく何かが欠損してる男。痛々しいような、可愛いような、イラっとするような、目が離せないような、そんな男と、彼をめぐるそれぞれの時代の女たちの短編集。
ここのくだりが好きだ。
ユキヒコはあおざめていた。わたしのことを、甘くみていたのだ。いつもいつも。わたしはユキヒコを甘くみていなかったのに。でも、甘くみあわないで、どうやってひとは愛しあえるだろう。許しあって、油断しあって、ほんのすこしばかり見くだしあって、ひとは初めて愛しあえるんじゃないだろうか。わたしは、一度もユキヒコを甘くみることができなかった。ユキヒコの方はわたしを甘く見ていたというのに。
ニシノユキヒコ。
つかみどころのない彼は、叶わなかった恋とか、成就されなかった想いとかの総称としての存在。
むかつく。何年読み返してるんだ。
結局私はユキヒコが好きなんだよな!
全然関係ないけど、ニシノユキヒコを久しぶりに読んで思い出したことがある。
村上春樹の「ノルウェイの森」が大ベストセラーになって、ねこもしゃくしも赤と緑を持ってたころ。死んだ父が、私に「ノルウェイの森」を借せというので貸したら、読み終わった後に、ニヤニヤしながら、「ワタナベくんは、モッテモテだねぇ」と一言、言ったので、お父さん!!台無し!!とおもったものだった。
身も蓋もなさすぎなのは良くない。
それにしても、身も蓋もない、って、いい言い回しだなあ。
わちゃわちゃした日々も、続いていきますので、寝ます!!