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マジメ君じゃなくてもいい、と思えるまで

マジメ君が躓いた日

私は学生時代から、真面目一本道でやってきました。

中学・高校時代は学級委員などを積極的に引き受け、部活も真面目にやり、勉強もがんばって成績を良くしようと必死でした。


私が最初に躓いたのは大学受験でした。

現役時代はセンター試験(当時)でひどい点数を出してしまい、滑り止めもあえなく撃沈。

浪人して同じ大学を目指しましたが、それでもセンター試験で失敗して、出願すらできずに終わりました。

その成績でも戦える選択肢から、なんとか第三志望くらいの大学に進学しました。


社会福祉という"救い"

浪人を経て、私の心はすさみきっていました。

浪人時代と大学1年生の時は友人がほとんどおらず、毎日孤独に大学に通っていました。

私のいた大学では、2年生の時に専攻を選ぶのですが、そこで出会った社会福祉に救われました。

どんな人間でも生きていていい−−−そう思えたことで生活が変わり、友人も少しずつできてきました。


その時にもう一度、マジメ君が復活してきました。

大学の授業は全部真剣に受け、テストやレポート、ゼミでの発表では全力を尽くしました。

この時から読書をするようになり、大学2年生の時には年間で100冊読んでいました。

サークルや友人付き合いが多くなかったので、勉強に時間を割けたという理由もあります。


社会人のルールへの順応と違和感

そんなマジメな大学生も就活を経て、とある福祉系の団体に就職します。

公務員ではないのですが、公的性格が強く、年功序列や異動がある会社でした。


そこでは、社会人のルールを教え込まれます。

仕事のやり方やビジネスマナー、お客様対応のあり方、会社内外の人間関係の付き合い方。

年功序列や正社員と非正規社員の待遇の差、性差などの見えないルールもたくさん感じました。


当初はマジメ君を発動させ、こうしたルールに順応していました。

ところが3年目になってきて、会社の風潮が変わってきてから、私の気持ちも揺らいできます。

それまで残業をたくさんしてでも仕事を終わらせろという風潮だったのが、残業は基本的にNGで、どうしても必要な場合は申請と上司の許可が必要になりました。

もちろん残業を少なくして、プライベートの時間を確保することは大事だと思います。

しかし、残業を減らすことが目的化して、何のために仕事をしているのかが見えなくなってきたのです。


決意の4年目

3年目の終わりから4年目にかけて、仕事に対するもやもやが解けない中、自然と大学時代から好きだった読書に手が向きました。

最初は仕事術や転職の方法などの本を読んでキャリアについて考え、次に大学時代からの専門である社会福祉の本も読みました。

その本がきっかけで、大学院に進学しようと思うのですが、その話はまた今度。


4年目の夏に大学院の試験に合格し、あと半年で仕事を退職することが決まりました。

そこで、その次の年度から大学院生をしながらでもできる仕事を探しました。

その時に出会ったのが、今も勤めているNPOの求人です。


NPO人との出会い

見つけたNPOは、大学生の時から本などで知っている人が理事長を勤めていました。

学生時代からの憧れの人のもとで働けるかもしれない・・・と思うと、すぐに応募フォームから連絡していました。

まだ以前の職場にも勤めていたので、最初はボランティアという形で、イベントの手伝い等をしました。


そこで出会った人々は、一般企業に勤めながらNPOにボランティアで参加したり、いくつもの仕事を掛け持ちしている人、全国を飛び回って活動している人など、前職では出会うことがなかった方々でした。

私にとって、一つの会社に所属して、一つの事務所を基点に仕事をするのがが当たり前だと思っていたので、かなりの衝撃でした。


コロナ禍とリモートワーク

私が前の職場を退職し、大学院に進学した時に、ちょうどコロナ禍となり初めての緊急事態宣言が発出されました。

大学院は全てリモートになり、これから本格的に取り組もうと思っていたNPOの仕事も、一旦差し止めになりました。


緊急事態宣言が一度終了になった後も、感染症対策は継続し、集まっての仕事はできない状況が続きました。

そのため私の勤めていたNPOでは、基本的にリモートワークで対応することとなりました。

家から自分のパソコンで仕事をして、チャットツールで連絡を取り合い、オンラインでミーティングをして・・・という日々が続きました。


いつの間にか、マジメ君はいなくなっていた

リモートワークを続け、NPOの仲間も増えていきました。

NPOの同僚たちは、副業で関わっている人もいれば、プロボノ(専門性を活かしたボランティア)で関わっている人もいます。

フルタイムで仕事をしている人は数名しかおらず、私自身も大学院生をしながらでしたので、フルタイムの半分も時間を使えていなかったと思います。


もし今マジメ君が発動していたら、こんな中途半端な関わり方は許さないかもしれません。

やるんだったらとことん、フルタイムで正社員として関わるべき−−−でも今は、この働き方に満足しています。

自分の裁量で、学業と仕事のバランスを取り、どの仕事をするのかも自分が決めることができる。

そして何より、今の仕事は何のためにするのかが明確に見えています。


卒業と今後

私は今年の3月で大学院を卒業して、NPOスタッフが本業になります。

これからも、フルタイムで雇用という形ではなく、自分のやるべき仕事を取捨選択していく形になると思います。

選択をしなければならないのは、ある意味負担があり続けることでもあります。

それでも選び続けることは、自分の仕事の意義を問い返し続けることになると思います。


これからも、自分の仕事に向き合って、真摯に取り組んでいきたいと思います。

あれ、やっぱりマジメ君はここにいたみたいです。


#この仕事を選んだわけ

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かど@積読とコーチング
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