鍼灸師が知っておきたい、家族志向のケア〜家族図を書いてみよう〜
在宅鍼灸師のためのマガジンをご覧いただき、ありがとうございます。「プライマリ・ケア」を担当しています、てつこと長岡哲輝と申します。
これまでプライマリ・ケアをテーマに「患者中心の医療」「レッドフラッグ」「医療連携」「社会的処方」について紹介してきました。
どれも学校で学ぶことのない言葉ですが、プライマリ・ケアを学べば学ぶほど、「あれ、これって鍼灸師にも関係あるよな?」と気づくことばかりです。
今回は、鍼灸師なら必ず知っておきたい「家族志向のケア」について書いてみようと思います。
この記事を読んで「あ、これは自分にも関係あるかも!」と思ってもらえたら嬉しいです。
どうして家族をみるの?
家族志向のケアとは「家族という枠組のなかで患者さんをケアしよう」という意味です。
では、なぜ「家族という枠組み」でみる必要があるのでしょうか?
下の表は「ストレスのランキング」といわれる評価尺度です。
(ワシントン大学のHolmesらが1968年に開発しました。)
ライフイベント(人生のできごと)のストレス値を0〜100で、ランキングにしたものです。トップ10のほとんどが、家族に関するエピソードです。
(結婚の50が基準だそうです。ちょっと高い気もする?笑)
「配偶者の死」は最もストレスのかかるライフイベントです。
大切なひとを喪失した「悲しみ」が強いストレスとなり、こころとからだに不調をもたらします。遺族へのケア(グリーフケア)が必要とされています。
また、1年間の合計点数が300点を超えた人のうち、79%は1年以内に何らかの身体の不調を訴える、と言われています。
つまり「家族の問題」と「健康状態」は比例しており、深く関わっているのです。
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ここから「家族」をどのようにみていくか?についてお話しますが・・・
「あなたが家族をみようとする姿勢」がすべてのはじまりです。
「症状の改善」は鍼灸師の大切な役割ですが、うしろに「家族の木」があることを想像してみると....いろんな発見があるかもしれません。
家族の木(文献2より改変)
まずは家族図を書いてみよう!
ここから実際の症例をもとに、家族図の書きかたを学びましょう。
腰部脊柱管狭窄症のオペを頑なに拒んでいる男性の事例。
どうやら、家族との関係性に問題がありそう・・・
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