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「忘れる」力
外山滋比古のエッセイ本。
図書館の返却期限を過ぎてしまい慌てて読んだ。
毎度どういう本なのか確認せずに借りてしまうのだけど、今回は新書と思ったらエッセイだった。それもあってか、遅々として読み進められなかったのです、という言い訳をしておく。
短いエッセイが集められた本で、日本語に関する内容が多い。中には上で書いたような「である」調と「ですます」調を混ぜた文はいけすかないといった内容もある。失敬失敬。
この本で初めて知った言葉はこの二つ。
セレンディピティと啐啄の機。
セレンディピティとは、思いがけないものを発見する能力。
セレンディピティが仕事で発揮されることはなかなかないが、偶然が重なることはよくあり、そこから思わぬ発見があることも稀にある。セレンディピティにより〇〇が分かったというような使い方をするらしい。
啐啄の機(そったくのき)は卵が孵化するときに内側から出ようとするタイミングと外側から卵を割るタイミングが合わないといけないというのが語源だそうだ。弟子が悟りを開くことができるその瞬間に師が悟りのきっかけを与えることであり、禅の言葉である。そこから転じて物事を成し遂げるための得難いチャンスを意味する。
啐啄の機は人生にこれまで何回かあったように思うが、不安から見送ることも多かった。次の啐啄の機は逃さないようにしたい。
なんかかっこいいよね、この言葉。
日本人の「結構です」が、外国人にはわかりにくいとも書かれていた。
個人的には「結構です」は断るときにしか使わないのでNOの意味で良いと思うが、結構なお手前です、だとか肯定表現にも使われるので外国人からすると分かりにくいのだろうか。
私が先日母から注意されたのは「大丈夫」という返答。大丈夫ってなに?どっちなの?捨てていいの?だめなの?
ちなみに上記のやりとりは実家にある私の物の写真を送ってきて、「おいとく?」と聞かれたのに対する返事。捨てて良いよ、という意味だったが、たしかに置いておいて大丈夫という意味にも取れるか。
ピグマリオン効果。
期待をかけられ、褒められた人ほど伸びるという教育効果の話。
子育て的にも参考になったが、褒められて育つタイプなので、会社でもピグマリオン効果は周知されたい。なお、大人でも効果があるのかは不明。
タイトルにもなっている忘れる力。
ここに触れられているのは本当にひとつだけだった。
忘れることで新しい知識などを入れて成長していくのだから、という話だ。
なんでこのタイトルにしたのかよく分からない。