駅弁
家内は、あるプロジェクトに参画していて。この春先からゴールデンウィークを終わり、しばらくはそのプロジェクトの仕事の関係でホテル住まいで。帰宅することがほとんど無かった。
その間、料理のできる長女や次女が少しだけは料理を作ってくれたのだが、それも、ほんの束の間で。ほとんどが、スーパーのお弁当だった。
だが、お弁当が続くと、飽きる。長女も次女もそうで。私とて、飽きないと言えば嘘になる。
そんなとき、少し高いお弁当を買ったりするのであるが、近隣のスーパーでは、ある時期、嬉しい催しを、土日のあいだ、やっていたのだ。
駅弁キャンペーンである。
土日だけの、限定キャンペーンである。
いろいろ、買ってみた。そして、みんなで食べてみた。
毎週のようにやっていて、最初は、喜んで食べていたが、3週間ほど経って、長女が、言い出した。
コジくん、これ、お金がかかるよね。
贅沢だから、やめにしない?
料理、なるべく作るようにするから。
そして長女は、日曜日の夕方、料理を作るようになった。
だが、それも、2週間ほどで、終わりを迎えた。
そして、元の、安いお弁当に舞い戻った。
心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟いた。
努力しようとしただけ、マシだな。
家内は、今は落ち着いているが、時々、大阪出張や、休日出勤がある。家内が家を空けると、途端にお弁当生活になる。そうなると、ゴミが多くなるし、お金がかかる。
やはり、我が家は、家内に、もっと感謝をしなければならない。
マッサージを、もう少しだけ増やそうか。
そう思って振り返ったら、家内が、笑っている。
マッサージをすると、家内は、上機嫌になる。
家内が上機嫌になると、我が家は、明るくて平和である。
だから。
これで、いいのだ。