崩壊
我が家で、デザートは自分で勝手に購入してはいけないことになっている。特に、私は。
ただ、私の口にデザートが入らないわけではなくて。それは、家内との半分こを基本とした、配給という形で、分け与えられることになるのである。
ときに、それは、運良く半分こにならずに私に配給されることがあり。その理由は、だいたいは、家内が好きではなかったり、お腹いっぱいだったりするのである。
11月20日過ぎのある日、こんなものが配給されてきた。
スイーツである。
私は即座に、半分こに、もう、なってるの?
と聞いてみると。
いや。それ、全部だから。全部、あげる。
私は、訝しく思い、念のために賞味期限を確認すると、やはり、切れている。
そして、かたちが、かなり崩れている。
心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟いた。
賞味期限や、形なんかを気にする人ではないよな。さっちゃん(注1)は。
しばらく黙って、このスイーツを見ていると、家内が言った。
気に入らないなら、あげないから。
うむ。それは、困る。
心の中の、リトルkojuroが、また、ボソリと、呟いた。
ダイエット中だし、それも、結果としては、良いんじゃない?
でも、欲しかった。
そして、たいらげた。
夜、ソファーに座って。もう一度、家内に聞いてみた。なぜ、ひとつ丸ごと、くれたのか。半分こでは、なかったのか。
でも、明確な回答は、なかった。家内は、こう、こたえたのだ。
コジくん、最近、頑張っているから。全部、あげようと思って。親切よ。私の。
だが。やはり、腑に落ちない。謎だ。
私は、腹痛を起こすこともなく、元気に過ごしている。今も、変わりなく。
マッサージをすると、家内は、上機嫌になる。
家内が上機嫌だと、我が家は、明るくて平和である。
だから。
これで、いいのだ。
(注1)我が家の家内の呼称は、「さっちゃん」である。さっちゃんは、女王陛下という別の呼称もある。だが、そもそも長男が飼い出したハリネズミのリキとの関係で、そもそもの飼い主が長男であることから、私は、おじいちゃんだが、家内に対して「おばあちゃん」なんて呼び方は、まかり間違っても、してはならないのである。
■追記■
面ゆるって、なに?
それは、これ。西尾さんはじめ、みんな、面白い作品をあげていて。
私は、だいたい土曜日の夜に、そこそこの過去記事をあげています。
もしも、お時間があれば、みんなの作品、読んで頂けたら幸いです。