ショートショート_親友
金色に田んぼが染まると聞いたことがあった。だが、中途半端に都会っぽいところに住んでいた私が、その金色をこの目で見たのは、家内の実家を訪れたときだった。
秋のある日、まわりの田んぼが、文字通り金色に染まっていた。
金色とは、この色なのだと、その日、生まれて初めて思った。
稔り。豊作。秋祭り。
人の営みとは、こういうところから発するのだろうと、そのとき、初めて心の底から思った。
そんな昔の出来事を思いだしながら、日曜日の午後に、またもや、荒技をやってしまった。
さて、小牧幸助さんの、シロクマ文芸部の最新お題は、毎週木曜日に出る。
そして、今回のお題は、「金色に」から始まる小説・詩歌・エッセイなどを自由に書いてみませんか?ということで。
そして、たらはかにさんからのお題は…。
表のお題が【人生は洗濯の連続】で。裏のお題が【錬成は電卓の親族】|д゚)チラッ、ということだ。
そしてそして、山根あきらさんのお題は、ちょっと早めに出る。
「ひとりぼっち」という言葉をタイトルまたは本文中で用いてください。ということで。
今回は、お題を文中に入れさせてもらおう。
また、今回も、シロクマ文芸部作品を読んでみた。友音さんの記事である。ちょっとその感想を述べてみる。
シロクマ感想文を書こうと、「シロクマ文芸部」・「夕焼けは」で、検索して飛んでいった。
コウカイ。ちょっとのんびりしている僧侶ではあったものの、素直な人物だったのだろう。仏様の言いつけをきちんと聞いて、生活を少しでも改善するなんて。
それにしても、先代の和尚の変装だったとは。その、現れ、コウカイを諭した仏様が。
それがもしも私だったら……。
私は、きかん坊の悪ガキなので。きっと仏様ではなかろうと勘ぐり、正体を暴いてしまい、何の改善もしないグウタラのまんま、寺を追い出されたことだろう。
人間、素直なのが、やはり、一番だ。それでこそ、世の中の平和にも繋がる。
ともあれ、生きていることに感謝して。今宵も、月に祈ろう。
小牧幸助さん、たらはかにさん、山根あきらさん。3人とも、私は、大好きである。3人の企画は、膨大な数のファンの方、参加希望者を抱えていらっしゃる。だが、お題を出すだけでも大変だと思うのである。
毎週。ほんとうにありがたい。そして毎週の日曜日の、私の励みである。
心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟いた。
せっかく出していただいたお題を、小牧幸助さんの始まりの言葉と、たらはかにさんの裏表のお題、山根あきらさんのお題。4ついっぺんに書く荒技。まして、シロクマ感想文まで加えると5重の荒技。
あまりにもやりすぎじゃないかな。
うむ。まあ、私にも事情があって。本当は、ひとつひとつ丁寧に書きたいのだが、まだ、それがどうしてもできない。
これで何週間いや、何年と何ヶ月だろうか…。まあ、続けられるだけ、続けるさ。
心の中の、リトルkojuroが、また、ボソリと、呟つぶやいた。
なんだか、きかん坊の悪ガキだな。
まあな。申し訳ないな。みなさんに。
そしてもう一度、心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟つぶやいた。
家族からのお題は、バックアップで書いたの?
うむ。少しずつね。でも、それを投稿する機会がなくなってしまったかも知れない。どうしようか。
私は、この荒技シリーズを、ハードボイルド風に書き上げたいと思っている。だが、そうそううまくはいかず。いつも、反省している。少しばかり。
なんのはなしですか。
さて。それでは、本編にまいりましょう。今週の荒技、「親友」約410字を、どうぞ。
☆ ☆ ☆
金色に一面が輝く田。
財前はそんなところで伸び伸びと幼少期を過ごした。
昆虫が大好きで。スポーツ万能、芸術にも秀で、勉学全てがピカイチ。
だが。
出来過ぎる故に、いつもひとりぼっちだった。
そんな財前の隣に、ある日引っ越してきたのが涼で。涼は仲間作りの天才だった。
不器用な財前は、涼と一緒にいる時間が多くなった。
やがて2人はと同じ空手道場に通うようになり。財前は自ら下働きの役目を買って出た。
何より、仲間と一緒が嬉しかったのである。
胴着を洗い、干し、朝から晩まで道場に通い詰めた。
だが財前の才能は、隠しきれるほど控えめではなく。なんと全国暗算選手権で優勝してしまったのである。
隙間時間の積み重ねでも、彼の計算力は錬成され超迅速かつ正確無比で人間離れしていた。それはまるで、生きている計算機だった。
2人は、お互いに尊重し合う、本物の親友になった。
彼らは、世界平和への切り札とも言える重要人物になるのである。ほんの、20年ほどの間に。
☆ ☆ ☆
荒技も、もう、やり始めて1年以上になる。何回目だろうか。今度、数えてみよう。
振り向くと、ソファーのさっちゃん(注1)が言った。
noteよりもさぁ、マッサー頼むわ。ここは、荒技は、いらんよ。
マッサージをすると、家内は上機嫌になる。
家内が上機嫌だと、我が家は平和である。
だから。
これで、いいのだ。
(注1)さっちゃんとは、家内のことである。我が家の実質の最高権力者なので、別名、女王陛下という呼び名もある。
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