えんぴつ
これまで、この、家内の鉛筆、すなわち、アイブローペンシルについては、何度か記事にしてきた。つい最近のものは、ようやく1.9cmになったので、これを、少なくとも、1cmを切るくらいまでいきたいと、書いた。
家内は、最近、よく出張をする。家内が出張三昧になった、1月中旬のことだった。大阪に出張して帰宅すると、私に、こう、言った。
コジくん、大変なことが起きたのよ。
そして、目の前に、こういうものを、差し出してきた。
心の中の、リトルkojuroが、ボソッと、呟いた。
1cm未満の、夢が破れたね。ちょっと、ショックだね。
少しの時間、冷静でいられなかったが、気を取り直して、これをなんとか継続して使えないかと考えた。
鉛筆の中を見ると、そもそも、もう、芯が1cmもなくて。底が見えている状態であることがわかった。
心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟いた。
見た目は1.9cmあっても、芯は、5mmくらいしか、そもそも、無かったんだね。
さらに詳細に見ると、芯の底、そして、鉛筆の本体の底を見ると、平で、折れたわけではなく、外れたという表現が正しいことがわかる。
そこで、芯と鉛筆の底を、単純にくっつければ、もう少しだけ、使えそうだという結論に達した。
そして、いつものライトボンドを使い、ダメ元で、芯と本体をくっつけた。
そして、家内に渡した。
家内は、こう、言った。
ありがとう。使えるだけ、使ってみる。
こうして、家内は、それからも使っている。でも、今度こそ、もう、削れない。最後の最後の、使用の機会になる。
家内は、同時に、次の新しいアイブロウペンシルを購入した。
安物なんだけれど、これが一番、使いやすいのよね。
家内のこだわりポイントは、ポイ活と、クーポンと、節約である。
この節約というところに関するプライドは、なかなか大したものだと感心する。
心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟いた。
プライドというよりも、すごく良く言っても、粘り、くらいかな。
確かに。
でも、私は、家内を評価する。鉛筆削り師として。
心の中の、リトルkojuroが、ボソッと、呟いた。
鉛筆削り師とは、大きく出たな。そんなもの、存在しないが。
……。
家内のプロジェクトがひと段落して、帰宅してきたら。
2クール(注1)くらい、自主トレ(注2)を申し出ようかと思う。
そう思いつつ、鉛筆のことを思い出した。
もう、夜も遅い。
ひとり、電源のスイッチを消した。
灯りは、フェードアウトして、静かに、ゆっくりと消えていった。
(注1)我が家のマッサージは、家内が録画したドラマやバラエティ番組を見ながら行うことが基本なのである。1クールとは、ドラマ一本分。つまり、1時間、ハーフとは30分。クゥォーターとは15分を、意味する。
(注2)私は、家内のマッサージを、よくする。家内に促されずに、自らの申し出で家内のマッサージをすることを、自主トレと、勝手に呼んでいる。