パス
家内のこだわりポイントは、ポイ活と、クーポンと、節約である。
いつも、ポイ活をしているか、クーポンを使っているか、無駄にしていないか、確認される。そして、少しでも無駄をしていたり、節約をしていなかったりすると、叱られてしまうのである。
10月の中旬の、家内の不在期間は、まさに、ポイ活とクーポンの使用を、きつく、言い渡された。そして、ご飯で、何か、困ったら。あるいは、ちょっと買い込むことがあれば、これを使いなさいと、手渡されたものがある。
この、“Suki pass”である。
家内は、準備も良くて。食事のほとんどは、買い置きしてくれていて。いつ食べるかも、紙を貼り付けて、指示してくれていて。ほとんど、レンジでチンで、済んだのだ。
次女と相談の上でコンビニで購入することも許されていて。コンビニ弁当を挟むこともあった。それは、次女がスポーツをやっていて。土日に試合があり、その日の晩御飯は、好みのものを買っても良いことになっていたのである。
だが、次女も、家内と同じように、節約家で。家内の指示に、文句を言わずに、ほぼ、従う。でも、これは、良いことだと思っているし、家内に感謝している。
家内が帰ってくる月曜日の夜。とうとう、冷蔵庫の中の、食べるものが既に無くなっていて。家内が帰るのも遅く。私としては、みんなのために、コンビニで夕食を調達しようと、提案したのだ。
すると、こんなコメントが返ってきた。
そして、無視しようとすると、またもや。
心の中の、リトルkojuroが、ボソッと、呟いた。
あのSuki pass、使おうぜ。
……。
そして、私は、切り替えた。すき家の、家内と次女のメニューを聞くと、こう、返ってきた。
これは、家内。
これは、次女。
ちなみに、次女の三種のチーズ丼は、中盛りにしておいて、後で、次女が、「ナイスゥ〜」と、言ってくれた。以心伝心である。
そして私のメニューは、これだった。
やはり、家内には、敵わない。
心の中の、リトルkojuroが、言わずもがなのダメ押しを、呟いた。
家内だけに、敵わないね。
あれ?しつこいですか?
私が帰宅すると、次女も家内も、帰宅していた。
わが家の、すき家の晩餐は、滞りなく、執り行われた。
この、Suki pass 。10月の末までだったので、もう、私の手元には、無い。
あの時の、素敵な夜を、ありがとう。