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ショートショート_転送

閏年ということは、今年はオリンピックイヤーだ。夏には、パリ五輪が開催される。昨日も、卓球の女子卓球団体世界選手権決勝が行われていて。惜しくも世界最強の名を欲しいままにしている中国に惜敗した。手間足も出ない神のように存在だった中国の、尻尾をつかみかけたところまでは来たような気がする。その余韻も覚めやらぬ、そんな日曜日に、またもや、荒技をやってしまった。


さて、小牧幸助さんの、シロクマ文芸部の最新お題は、木曜日に出る。

そして、今回のお題は、「閏年」から始まる、小説、詩歌、エッセイということで。

そして、たらはかにさんからのお題は…。

お題【レトルト三角関係】

いや、まだ縛りが足りないという皆様には追加お題を。

・魅力的な主人公を登場させる

ということだ。


お2人の企画は両方とも、膨大な数のファンの方、参加希望者を抱えていらっしゃって。お題を出すだけでも、大変だと思うのである。
それでもお題を出してくれる。毎週。ほんとうに、ありがたい限りだ。毎週、励みになる。

また、今回は、ミモザさんの、シロクマ文芸部作品を読んでみた。ちょっとその感想を述べてみる。

今回の作品は、ガレットデロワを食べたときのフェーヴを題材にした作品である。

主人公のルウちゃんは、おしゃれで綺麗に見える生活よりも、質素でも自由で素直な生活がいい。生き方がいい。

ルウちゃんは、幼いながら自分を見つけていたのだろう。既に。そしてそれを、享受している。

ルウちゃんは、きっと、幸せになるだろう。

閏という漢字。門構えに王が入っている。そこから発想したとおっしゃっているが、作品の中のフェーブは、「閏年のフェーヴには強い力があるのですよ」という言葉を残し、両親と離れ、祖母と質素に暮らすルウちゃんの未来を照らしている。これが、心強い。

ほんのり誇らしくなるような素敵な作品を読ませて頂いた気がした。

ミモザさんの作品が、ふと、私のこれからの生活を暗示しているように思えた。今日は朝方は雪がちらつき、今は氷雨が降っている。

今宵も、見えぬ月に、すべての人々の幸せと安寧を祈ろう。



心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟いた。

せっかく出していただいたお題を、小牧幸助さんの始まりの言葉と、たらはかにさんの裏表のテーマ、3ついっぺんに書く荒技。まして、シロクマ感想文まで、4重の荒技。あまりにもやりすぎじゃないかな。


うむ。


これで何週間だろうか。まあ、続けられるだけ、続けるさ。



心の中の、リトルkojuroが、また、ボソリと、呟つぶやいた。

なんだか、悪ガキだな。


まあな。

そしてもう一度、心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟つぶやいた。

家族からのお題は、バックアップで書いたの?

うむ。少しずつね。でも、それを投稿する機会がなくなってしまったかも知れない。どうしようか。


私は、この荒技シリーズを、ハードボイルド風に書き上げたいと思っている。だが、図らずも、コミカルな内容になってしまっている時もあり。今回は、また、その調子になってしまっているようで、実は、反省している。少しばかり。

さて。それでは、本編にまいりましょう。今週の荒技、「転送」約410字を、どうぞ。

☆         ☆         ☆

閏年の2月29日、涼は洞窟の入り口に立っていた。

恐らく教授はここにいる。

確信して完璧に装備し、中に入り込んだ。


夢と同じように難所をいくつか乗り越えてようやく広い空間に辿り着くと、そこは研究室のようになっていた。

片隅の机に、教授がいた。

「教授ですよね」

涼は、声をかけた。

教授は振り返り、慌てた声で言った。

「今、泉をここに転送する。残念だが敵も何人か来る。時間が無い。備えろ!」

3人が、センターサークルに、突如現れた。


涼は瞬時に状況を判断し、照明弾を炸裂させた。飛びかかり、ひとりを倒し、泉を確保した。

だが、ひとりを取り逃した。


工作員は岩陰に隠れて叫んだ。

「教授は我々がもらう!邪魔者は消え失せろ!」

対抗するように涼も叫び返す。

「いや、教授は俺が保護する!」


教授はまた、手元のボタンを押したようだ。すると突然、2人の工作員は姿を消した。


「安心してくれ。奴らは奴らのアジトに転送した」

静けさの中、泉は、ひとり意識を失っていた。


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