仏花
何度も言っているが、このゴールデンウィーク、どうしても関西に行かねばならない所要があったので、家内と車で、2泊の弾丸ツアーに出た。
そして、最初の日は、28日の深夜に出て、途中のSAで睡眠をとり、29日の昼に長男宅に到着。その後、買い物に出かけたのだが、その後、すぐに、ほど近いところに、墓参にいくことにした。
スーパーで、仏花を購入したのだが、家内が、珍しく花にこだわった。
コジくん、ちょっと、今回は、花にこだわりたいんだけれど。
母の日が近いから、カーネーションを入れたいのよ。
心の中の、リトルkojuroが、ちょっと目を潤ませて、呟いた。
なかなか、感心じゃないか。
この提案、聞いてあげるべきだと思うよ。
花屋さんのコーナーで、仏花と銘打っているものをひとつ。そして、カーネーションの入ったものを、ひとつ。購入した。
そして、家内が言った。
仏花は、同じものを買って、左右対処なのが普通なのに、お兄さんたちに、叱られないかなあ。
いつも、墓参のときには、兄一家に、LINEに写真を送って、報告するのである。そのことを、家内は、少し気にしていたようだ。
私は、言った。
気にする必要は、無いよ。
この雨の中、少ない時間の中で、何とか墓参をするんだから、許してくれるだろう。
それに、カーネーションにこだわることは、いいことだと思うよ。
心の中の、リトルkojuroが、呟いた。
コジ、ときには、いいことを言うな。
お墓に着き、仏花を生けるときに、家内の手が、一瞬、止まった。
だが、滞りなく墓参は終了した。
確かに、家内の言うように、仏花が左右対称ではない。
まあ、いいだろう。
そして、兄にLINEをいれようとしたとき、ふと、気づいた。
心の中の、リトルkojuroも、思わず呟いた。
ちょっと待て。
仏花のセットの中にも、ちゃんと、カーネーションが、入っているじゃないか。
わざわざ、違うものを購入しなくても、良かったんじゃないか。
それを察して、家内が、告白した。
自分の正当性を訴えるかのような、ちょっと、強い口調で。
私はねえ。ピンクの、カーネーションがいいと、思ったのよ!
心の中の、リトルkojuroが、静かに囁いた。
ここは、従うのが、吉だぞ。
私は、家内に微笑みを返し、兄へのLINEの報告を入れた。
すると、兄からは、ほどなく、返答があった。
我が家は、家内が上機嫌ならば、平和で明るい家庭なのである。
これで、いいのだ。
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