限界
我が家には、フードロスハンターという言葉がある。賞味期限は切れている。だが、十分に食べられる。そういうもったいないものを、捨てないで、きちんと確認して、きちんと食べきる。これが、その、フードロスハンターなのである。
フードロスハンターは、この世から、フードロスを撲滅する、という、壮大なミッションを背負っているのである。
この記事を世に出してから、嬉しいことに、フードロスハンターと名乗り、その壮大なミッションを一緒にコンプリートしていこうという、奇特な仲間が、最近、いるらしい。
例えば、あべみょんさんが、そうだ。
なんと、職場に、フードロスハンター仲間がいる、というのである。驚きの活躍をされている。
さて、巷に、少しずつ増えているフードロスハンターだが、言い出しっぺの私が、口にする賞味期限の古いものの、更新をした話を、少しだけ、しよう。
それは、これだ。
納戸の片隅にあった。
裏っ返すと、何やら、見切り品の値引シールが貼ってある。
心の中の、リトルkojuroが、呆れながら呟いた。
もう、この時点で、怪しいだろう。
いやいや。自分の目と鼻と、第六感で、確かめてから、決めるのだ。
だが、賞味期限は、どこに、書いてあるのだろうか。
これでは、ないな。
どこだ?
おっと、これだ。
な、なんと、一昨年の品だ。
これは、ちょっと.....。
開封して、匂いを確かめる。
変な匂いはしない。むしろ、いい香りが、する。
ちょっと出して、色を確かめる。
濁りは、全く、無い。
そして、改めて、匂いを確かめ、ちょっとだけ、味見してみる。
悪くない。これは、いける。
心の中の、リトルkojuroが、叫んだ。
おいおい、ちょっと、限界を超えているんじゃないか?
今回の、フードロスハンターとしての、チャレンジは。
だが、私は、お湯を沸かした。
徐に、コップに、この、ほっとしょうがを、注ぎ、沸いたお湯を注ぐ。
すごく、いい香りだ。
ひとくち、飲んでみた。
.......。
な、なんと、美味しいのだっ!!!
心の中の、リトルkojuroが、呆れ顔で呟いた。
正気の沙汰じゃない。
念のため、賞味期限を見せながら、家内に聞いてみた。
大丈夫だよな。
すると、家内がこたえた。
コジくんなら、生還するんじゃない。
ぽんぽん、強いし。
心の中の、リトルkojuroが、へたりこみながら、言った。
知らないぞ。どうなっても。もう。
それから毎日、コップに一杯ずつ、飲んだ。すると、一週間もしないうちに、空になった。
今、新しい、ほっとしょうがを、近所のスーパーで、探している。
もちろん、賞味期限が切れていないものを。
でも、できれば、50%引きのシールが、貼ってあるものを。