フシギ笛【ショートショートnote_18/創作】
家内、いや、女王陛下の追求が厳しくて。できる限り、「ショートショートnoteカードゲーム」を使って、ショートショートを書くことを、少しずつ始めている。
お題は、最初に設定して4題のうち、以下の2つが残っている。このお題で、日曜日、順次、書けるときに、書いていこうと思っている。
ルーレットを回そう。
では、本編、「フシギ笛」410文字を、どうぞ。
☆ ☆ ☆
明は、高校で吹奏楽部に所属し、フルート奏者だった。
音楽は大好きだったが、プロの奏者になるまでの情熱は無く。大学では、吹奏楽も、やめようかと思っていた。
明には、義之という親友がいた。義之は野球部で。吹奏楽部の瞳のことが好きだった。
夏が過ぎ、文化祭も終わり、義之も明も引退し、卒業式を迎えた。
その日、瞳は、来なかった。通学途中、事故にあったのだ。2人で病院に駆けつけたが、瞳は、瀕死で集中治療室にいた。
ふと、明が、席を外し。隣の公園で、1人になった。そして、心を込めて、瞳の無事を祈り、曲を吹いた。
病院に戻ると、瞳の意識は回復していた。
明はその時、大学でも吹奏楽を続けることを決意した。
大学は、義之と瞳と3人同じ大学。
瞳は野球部のマネージャーになり、やがて2人は結婚し、幸せな家庭を築いた。
明は、今でもアマチュア楽団に所属している。その音色は、どこかの誰かに幸せを呼び寄せている。