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秘密兵器
家内が、このスプレー、捨てる時には、ガスを抜かなきゃならないよね。
こう、言い出した。
そして、私に、ミッションを下した。
捨てて。これ。ガスを抜いて。
私は、すかさず、ガス抜きは、専用の秘密兵器があるのだよ。それを使おう。
こう、返した。
すると、家内が言った。
缶に、そんな道具必要ないって、書いてあるよ。
確認してみると、確かに、ガスの抜き方を、きちんと書いてある。
だが、私は、家内に言った。
私の経験によると、必ず、少し、ガスが残るんだ。それが、危険なんだよ。きっと、最後には、この秘密兵器が、必要になる。
心の中の、リトルkojuroが、落ち着いて、つぶやいた。
まあ、最後に、秘密兵器の凄さを見せつけてやろうぜ。
一応、私は、余裕で、その手順に沿って、まずは、ガスを抜くことにした。
この、大きなキャップをとる。
次に、プラスティックの、ノズルカバーを、とる。
すると、ノズルヘッドが露わになる。
手順によると、この上に、先程の大きなキャップを逆さにして、押し付ける、と、ある。
こうだな。
すると、完全に、はまりこんで、手を離しても、ひとりでに、ガスが抜けていく。
スーーーーっ。
完全に、抜けたような感じになった。
心の中の、リトルkojuroが、ちょっとたじろぎながら、つぶやいた。
全部、なんか、抜けちゃったんじゃない?
ひょっとしたら.....。
でも、私は、自信満々に、秘密兵器を取り出した。
ここを、缶のはじっこに引っ掛けて、と。
そして、缶の側面に、刃を突き刺す。
ズンっ。
ん?
ん?
ガスの抜ける音が、全く、しない。
あれ?
一部始終を見ていた家内が、ボソリと、言った。
手順通りやったら、完璧に、抜けてんじゃん。
秘密兵器、不要だったね。
ふふふ、ふふ。
.................。
コジくんは、断捨離、断捨離と言うけれど、無駄なものをたくさん、もっているもんね。
だから、家が、片付かないんじゃない?
それを、秘密兵器なんて。
ふふふ、ふふ。
.................。
私の秘密兵器は、形無しだった。
心の中の、リトルkojuroが、静かに、囁いた。
Kaoさん、信じてなくて、ごめんなさい.....。
私は、ちょっとバツが悪くて、そっと、その秘密兵器を、ポケットに隠した。