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ショートショート_逆夢
逃げる夢を見た。私の場合、受験とか、試験とか、勉強とかいう、どうしても学生として乗り越えなければならない、必須のものから逃げる、逃避の夢だ。この歳になり、来夏に定年を迎えるこの期に及んでもなお、見てしまう。私は、よほどの逃避癖があるようだが、日曜日の荒技投稿は、まだ数えるほどではあるが、今のところ、逃げてはいない。何の自慢にもならないが。
さて、小牧幸助さんの、シロクマ文芸部の最新お題は、木曜日に出る。
そして、今回のお題は、「逃げる夢」から始まる、小説、詩歌、エッセイということで。
そして、たらはかにさんからのお題は…。
表のお題が「強すぎる数え歌」で。裏のお題が「エモすぎる謎ねぶた」ということだ。
お2人の企画は両方とも、膨大な数のファンの方、参加希望者を抱えていらっしゃって。お題を出すだけでも、大変だと思うのである。
それでもお題を出してくれる。ほんとうに、ありがたい限りだ。毎週、励みになる。
また、今回は、ひろいてんさんの、シロクマ文芸部作品を読んでみた。ちょっとその感想を述べてみる。
いい作品だ。私などからすると、遠い遠い昔の、青春にまつわる作品である。私の場合、浮いた話など皆無だったから、こういう恋愛ものには没入できないなぁなんて思いながら読んでいたら、最後の最後に、出てきた。二人の恋路がこれからまさに成立しようという瞬間に、隣の席で超現実的な、しかもくだらない、空気を読めない発言で一切合切を無に帰してしまうような不届き者が。この人物は、恐らく、学生時代の私だ。黒歴史にもならない青春を送った私に、今になって、深い自省と嘲笑とを与えてくれた。なんだか、明日は、いい日になりそうだ。
さらに、小牧幸助さんが、新たな企画を出された。シロクマ文芸部員のはしくれとしては、作品を出さないわけにはいかないだろう。
■小牧幸助文学賞投稿作品②■
犬の欠伸はエモく、パクり数え歌は強すぎ。
心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟いた。
せっかく出していただいたお題を、小牧幸助さんの始まりの言葉と、たらはかにさんの裏表のテーマ、3ついっぺんに書く荒技。まして、シロクマ感想文まで、そして今回は、小牧幸助文学賞まで手を出す5重の荒技。あまりにもやりすぎじゃないかな。
うむ。
これで何週間だろうか。まあ、続けられるだけ、続けるさ。
心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟つぶやいた。
なんだか、まだ、悪ガキだな。
まさに。
そしてもう一度、心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟つぶやいた。
家族からのお題は、バックアップで書いたの?
うむ。少しずつね。でも、それを投稿する機会がなくなってしまったかも知れない。ちょっと考えるよ。
さて。それでは、本編にまいりましょう。今週の荒技、「逆夢」約410字を、どうぞ。
☆ ☆ ☆
逃げる夢を見た。何か不吉だった。
新幹線で泉は、本州最北端の街に来ていた。今日は子供ねぶたの警備の任務だ。
可愛い犬が欠伸をしているねぶたが目前を通り過ぎようとしていたその時、瞬く間にテロリスト連中が雪崩れ込んできた。
なんと不覚にも虚を突かれ、子供数人が人質となってしまった。
秘密警察のメンバーは、指を咥えて遠巻きに控えるしかなかった。
すると突如、ポンポンポーン、という大鼓のBGMと共に大音響で野太い声が流れる。
ひとーつ、人の世の生き血をすすり。
ふたーつ、不埒な悪行三昧。
みーっつ、醜い浮世の鬼を。
退治てくれよう、桃太郎〜っ!
現れたのは、侍に扮した涼だった。
ねぶたのてっぺんから飛び降りたかと思った瞬間、照明煙幕弾を投げ、辺りが暗くなったときにはテロリストたちは一網打尽だった。
泉たちが子供たちを即座に保護すると、それも演出だったかのように感じた観客からは、万雷の拍手が起こった。
振り向けば侍姿の涼は、影も形も失せていた。
☆ ☆ ☆
■追記■
面ゆるって、なに?
それは、これ。西尾さんはじめ、みんな、面白い作品をあげていて。
私は、だいたい土曜日の夜に、そこそこの過去記事をあげています。
もしも、お時間があれば、みんなの作品、読んで頂けたら幸いです。