荷物
荷物を送るときは、いろいろな運送屋さんを使うが、私は、郵便局か宅急便を使うことが多い。
そして、家内がプロジェクト参加(注1)してからというもの。家内はホテルに連泊するようになり、我が家向けに物を送り届けられるのはもちろんだが、我が家に集荷してもらって、荷物を送る機会が断然増えた。
集荷してもらうとなれば、いちいち送り状を取り寄せたり、その場で書くのも面倒だ。そう考えて、クロネコメンバーズに入った。
使ってみると、なかなか便利なのである。そもそも、住所を打ち込んでおけば、送り状を手書きすることは無い。また、決まった送付先ならば、一度だけ登録しておけば、ボタンひとつで指定でき、何度も書き込む必要も無い。
スマホひとつで、手続きは、万全なのである。
そして、そういう繰り返しの中で、思ってもみない変化も訪れてきたのだ。
我が家の宅急便の担当は、複数人いる。よく訪れる担当は、3人である。その中でも、何度もやりとりしているひとりの担当と、かなり仲良くなった。
それが、もう、こんな仲なのである。
ロビーであっても、当然挨拶するのだが、こういう会話になる。
あ、Nさん、おはよう。
あ、コジさん、荷物ありますよ。あとでお持ちしますね。
あ、そう。重い?
いえ、それほどではないです。
じゃあ、ここで、もらうね。
え?いいんですか?こんなところで。
いいよ。他のところの荷物、配ってよ。
わかりました。
じゃあ、またね。
はい。ありがとうございます。よろしくお願いします。
と、まあ、こんな具合だ。
このあいだは、私が乗っかったエレベーターに、Nさんが、途中階で乗っかってきた。
すると。
おはようございます、コジさん。
後で寄りますね。
いいよ。もらうよ。
え?いいんですか?ちょっと重いんですが。
良いよ。それくらい。他のところ、まわってよ。
ありがとうございます。助かります。ではよろしくお願いします。
あ、そうそう。明日くらい、集荷依頼するね。
あ、明日は、Kが来ます。
あ、そう。Kさんに、よろしく伝えてよ。今晩、依頼インプットするね。
わかりました。毎度、ありがとうございます。
Nさんとは言うものの、若くて。20代後半くらい。息子ほど歳の離れた宅急便屋さんだ。
家内も、配送のメンバーに、優しい。これは、宅急便に限らない。時々、飲み物をあげたりする。
そういうこともあり、もう、Nさん、コジさんと言い合う、荷物も途中でピックアップする。そんな仲になってしまった。
ついこの前、ロビーから荷物をもらって家に持ち帰ったら、家内が、驚いていた。
え?その荷物、宅配ボックスからとってきたの?カードも持って行かずに、どうして開けたの?
いいや。Nさんに、会ったのよ。それで、もらってきた。
Nさん?誰よ、それ。
いや、クロネコの。
クロネコ?
今のNさんと私の関係を話して聞かせると、家内は、二度、驚いていた。
心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟いた。
そろそろ言われるぞ。仲良くなったのならば、値引きしてもらえないの?って。
そのすぐあとに、家内が、ニヤけながら、こう言った。
で、値引きしてもらえるようになったの?
家内のこだわりポイントは、ポイ活とクーポンと、節約である。
特段の値引きなど、あるはずも無いが、カード支払いでポイントは、ついている。このシステムは、私は、よほどのことがない限り使い続けるだろう。
何も、家内を怖がることは無い。
だから。
これで、いいのだ。笑
(注1)家内は、仕事上、ちょっと変わったプロジェクトに参画している。かなり大変な仕事で。都心やいろいろな場所に飛んでは、ホテルに泊まり込んでの仕事になる。そんなとき、当然、家を空けるのである。長い時は1-2ヶ月。短い時でも3週間くらいあける。当然、私は、家事に追われることになる。子供たちは少しだけ、家事を手伝ってくれている。