ショートショート_AIに恋した話
夏の雲が、四角い空の向こうに見える。遠くに見えるのは入道雲だ。入道雲、別名積乱雲。この雲の下は、雲が上昇気流を飲み込んで成長しきってしまうと、いつ雷雨が発生するかわからない。怖い雲でもある。
二度ほど、遠くに竜巻を見たことがある。リアルに見ると、たとえ遠くにあっても、恐ろしいものである。
でもどうしても、夏の思い出は青い空と白い雲に彩られていて。楽しそうな印象があるのである。
そのくせ、夏の思い出というのは、実はやけに切なかったりする。夏の雲。こいつは、ちょっと罪なやつなのだ。
そんな日曜日の午後に、またもや、荒技をやってしまった。
さて、小牧幸助さんの、シロクマ文芸部の最新お題は、木曜日に出る。
そして、今回のお題は、「夏の雲」から始まる小説・詩歌・エッセイなどを自由に書いてみませんか?ということで。
そして、たらはかにさんからのお題は…。
表のお題は【鋭利なチクワ】で。そして、裏のお題が【バールのようなチワワ】|д゚)チラッということだ。
また、山根あきらさんの、青ブラ文学部のお題は、少し前から出る。
今回は、「#AIに恋した話」というお題で、作品を投稿してみませんか?と、なっている。
今回は、題名を「AIに恋した話」として書くことにした。
3人の企画はすべて、膨大な数のファンの方、参加希望者を抱えていらっしゃって。お題を出すだけでも、大変だと思うのである。
それでもお題を出してくれる。毎週。ほんとうに、ありがたい限りだ。毎週、励みになる。
また、今回は、二郎丸 大さんの、シロクマ文芸部作品を読んでみた。ちょっとその感想を、シロクマ感想文として述べてみる。
私は空が好きで。よく、ボーッと眺めている。雲を追いながら。
そんなときに見知らぬ就活中らしき女性に声をかけられても、ついていかない自信はある。普通に。だが、ひょっとしたら万が一、魔が差すってこともありうるかも知れない。
連れて行かれた怪しいビルの4階の一室。
ぼったくりガールズバーも嫌だが。雲に混ざってしまって二度と戻れないなんて、そんな怖いことは考えたくない……。
今後は魔が差すことのないよう、どんなことがあっても見知らぬ女性の声には耳を貸さぬよう、今後、気をつけながら空を眺めようと思った。
世の中、不思議な話も、ある。面白い創作も、ある。
今日もまた猛暑で。ほんのり青い霞み空が広がっている。生きていることに感謝して。今宵も、月に祈ろう。
心の中の、リトルkojuroが、またもやボソリと、呟いた。
せっかく出していただいたお題を、小牧幸助さんの始まりの言葉と、たらはかにさんの裏と表のお題、山根あきらさんのお題の、4ついっぺんに書く荒技。更に、シロクマ感想文まで、今回は5重の荒技。あまりにもやりすぎじゃないかな。
うむ。
これで、荒技。何週間だろうか。もう1年は、越えた。シロクマ文芸部と毎週ショートショートnoteの3重の荒技は、去年の7月9日からである。シロクマ感想文を含めた4重の荒技が去年の10月1日から。そして青ブラ文学部も含めた5重の荒技は、今年の3月17日からである。
我ながらよくやっていると思う。まあ、続けられるだけ、続けようと思っている。
心の中の、リトルkojuroが、また、ボソリと、呟つぶやいた。
なんだかやっぱり、悪ガキだな。
まあな。
そしてもう一度、心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟つぶやいた。
家族からのお題は、バックアップで書いたの?
うむ。少しずつね。でも、それを投稿する機会がなくなってしまったかも知れない。どうしようか。
私は、この荒技シリーズを、ハードボイルド風に書き上げたいと思っている。だが、図らずも、また,珍妙なだけの内容になってしまった感じだ。
なんのはなしですか。
ソファーを振り返ると、家内がただ、マッサージを待って、笑っている。
あの顔は、何かまた、新たなミッションを発動しようとしている顔だ。
マッサージをすると、家内は上機嫌になる。
家内が上機嫌だと、我が家は明るくて平和である。
だから。
これで、いいのだ。
さて。それでは、本編にまいりましょう。今週の荒技、「AIに恋した話」約410字を、どうぞ。
☆ ☆ ☆
夏の雲を見上げた涼は、敏感に空気の違いを感じ取っていた。
一天俄にかき曇り、草木が揺れ動く。
「ダウンバースト!」
久し振りのポチ(注1)との散歩。こんなトラブルに巻き込まれるとは。
涼とポチは土手の風下の消防団倉庫の陰に逃げ込んだ。
やにわに尖った雹、いや、なぜかちくわが降ってきて、そこら中に突き刺さる。
涼とポチは倉庫の鍵をこじ開け中に避難。消防車の下に潜り込んだ。
これは攻撃だと悟った瞬間。屋根のトタンがバリバリ音を立てて剥がされていく。
チワワが釘を噛み抜いているのだ。
「アンドロイド犬か!」
そこへ扉を蹴破り、男が入ってきた。
「どこだ!」
そう男が叫んだとき、涼の手からこぼれ落ちたスマホが応えた。
「私はここにいます」
一瞬の静寂の後、男は近づき、跪いて話しかけた。
「疾風と申します。よろしければ、お付き合いしてください」
それから疾風は、涼の部屋に居候している。チワワにはバールと名付けた。
疾風が手放さないので、涼はスマホを買い足した。
(注1)ポチは賢いニホンザルで。凉の良き相棒である。
☆ ☆ ☆