自販機
雪の中に自販機がある。年末の、丹波篠山市のある場所である。家内の実家がここから30㎞圏内にあり、時々、この近くを通るという。
ケンミンの焼ビーフンの工場が、この近くにあり。そこに、その自販機は、置かれている。
1月の中旬、家内は大阪出張の最後の1日で休みをとり、実家に帰ったのであった。
ケンミンの焼ビーフン、何度か記事にした。母は、それほど作らなかったが、神戸の叔母が、美味しい焼ビーフンを作ってくれた。親戚で集まるときも、従兄弟と、よく食べた。思い出の味である。
いろいろな種類がある。そして、春巻きもあるようだ。なかなか、バラエティーに富んだ自販機だ。
そして、かなり安いらしい。
そして、調理法も、レンジでチンすれば良いらしく、簡単だ。それに、商品券まで付いているという。
ケンミン、なかなか、いい自販機を置いている。地元民のために。
学生時代、ほんとうに、勉強しなかった。親戚同士で集まると、叔父や叔母連中から、いろいろと聞かされる。大学のこと。学歴のこと。いろいろ。
親戚の集まりでは、たいてい、この、焼ビーフンが出たので、なんだか、耳を塞いで焼ビーフンを食べることに集中していたように思う。
おかわりを願い出ると、叔母は、笑顔で大盛りの焼ビーフンを出してくれた。それが、ちょっとほろ苦い思い出だ。
もう、こんな歳になった。今からシャカリキになって、何かをやる体力もない。
残りの人生、後悔はほどほどに、敢えて、ゆっくり、ゆるりと、やっていきたいと思う。
焼ビーフンを食べる度に、そんなビターな思い出が、少し、脳裏によぎる。
最近、家内が、仕事で事務所に詰めっきりになってきている。なんでも、今後、大きなプロジェクトがいくつもあり。そこに参画していて。3月の末まで、休日出勤もあり。近くのホテルを取って、泊まり込みもあり。大変な事をしている。
マッサージをしようにも、本人がいないのでは、自主トレを申し出ることも出来ず、どうにもならない。
晩御飯を終え、家内と簡単なやりとりをLINEで済ませて。
ひとり、スマホをいじりながら、明日の準備のことを考える。
心の中の、リトルkojuroが、ぼそりと、呟いた。
今から思うと、マッサージしているときが幸せだったね。
春まで、待つしかないね。
別に。
強がって、リトルに、嘯いてみた
ひとり、静かに、灯りを消した。