見出し画像

曲がったの、音【ショートショートnote_63/創作】

家内が私を追及するので、仕方なく、日曜日の夜に投稿するための、ショートショートの創作活動を、細々としている。

ショートショートノートカードゲームを使い、お題を家族に出してもらう。それをテーマに410字以内で、書く。

今回は、以前書いた記事のコメント欄に、こんなコメントを頂いたのである。

えんちゃんのお題もまた、難しい。笑

今回は、これをお題にして書くことにする。

このカード、わざと、いろんな解釈が出来るようにしてある


それでは、本編にまいりましょう。

えんちゃんのお題から。

本編、「曲がったの、音」、約410字を、どうぞ。


☆    ☆    ☆

ザイは、魔法使いで。人心を惑わし、20億の民を意のままに操り、悪政と圧政の限りを尽くし、ただ私腹を肥やしていた。



やがてリンが立ち上がり、粘り強く抵抗して、とうとう王宮までザイを追い詰めた。

王宮は迷路になっていて。全ての魔法を司る水晶玉が隠してあった。



リンは、仲間のコンとザイを追った。

地下の迷宮は極端に静かで。ザイの軍靴の音が響いた。

誰にも解けない迷路。だが、耳の良い2人は、靴の摺れる音を聞き分けて、王室まで辿り着いた。


コンがザイを羽交い締めにし、リンがその隙に水晶玉を床に叩きつけて木っ端微塵となった。




この夜から、魔法は消え去った。




リンとコンは、民族も、宗教も、歳も性別も何もかも分け隔てなく、全ての人々と粘り強く議論し、理解し合い、協力し、そして、国をゼロから作り直した。




人々は、もう金輪際、分断と争いは懲り懲りだったのだ。


曲がったの、音。


その聞き分けが、迷路の謎を解き、人々を解き放ち、未来を切り拓いたのである。

☆    ☆    ☆

えんちゃんは、noteの世界の友人で。私の敬語の先生である。

敬語の話を中心に。銭湯の話。敬語歌詞の話。特に、この、「敬語歌詞」。みんながよく知っている歌を、敢えて敬語で表現するとこうなる、という、遊びなのだが、これがまた、面白い。


■追記■
面ゆるって、なに?
それは、これ。西尾さんはじめ、みんな、面白い作品をあげていて。
私は、そこそこの過去記事をあげています。
もしも、お時間があれば、みんなの作品、読んで頂けたら幸いです。


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?