高原ビール
父の日だった。いつものように、HomeTapのボトルが届いた。ところが、今回届いたのは、特別なボトルだった。
つい先日、特別なボトルが届いたところだった。
これは、ゴールデンウィークの、私がした、掃除への感謝だったという。
これがまた、美味しかった。
この、キリンのHomeTap。なかなか美味い。だが、なかなか高い。ビール好きで、楽しみながら少量を嗜む人向きである。そもそも、富裕層向けだろう。そういう意味では、分不相応な代物である。
心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟いた。
コジは、ターゲットからは、全く外れているね。
私は、若い頃から、安い酒をガブガブ飲む。そういう、節操のない飲み方をする、いわゆる外道だった。
今更、ビールを嗜む、求道者には、なれまい。
長男は、父の日に向けて、これを送ってくれた。家族の中で、目に見える態度で示してくれたのは、長男だけだった。
長女も、次女も、かわりにLINEのコメントをくれた。
心の中の、リトルkojuroが、不満そうに、ボソリと、呟いた。
コジのような悪オヤジが、娘達からコメントをもらうだけでも、有難いと思わねば。
父の日はなぜか、家内は、また、仕事のプロジェクト会議で休日出勤だった。
私は、ひとり、長男から届いたボトルをセットして、孤独に飲んだ。勿体ないので少量のみだが。
父の日に ひとり嗜む 銀河味
なんだか、つまらぬ拙句が、頭を過ぎった。
心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、は、無かった。
絶句……。
孤独な父の日も、あって良し。
家族がそれぞれ、無事で、幸せなのだから。
これで、いいのだ。