逆転冷蔵庫【ショートショートnote_77/創作】
家内が私を追及するので、仕方なく、日曜日の夜に投稿するための、ショートショートの創作活動を、細々としている。
ショートショートノートカードゲームを使い、お題を家族に出してもらう。それをテーマに410字以内で、書く。
今回は、長男に、予めスマホのスロットアプリで選択していた以下の5枚から、お題を設定してもらった。
それでは、本編にまいりましょう。
長男のお題から。
本編、「逆転冷蔵庫」、約410字を、どうぞ。
☆ ☆ ☆
突然の猛烈なスノーストームで。逃げ込んだ先が、地下の貯蔵用冷蔵庫だった。
今や、温暖化という言葉が懐かしくさえ思える。
地球規模の気候変動は激烈で。ここ260万年ばかりが、気候変動の無い、奇跡の夢の花園だったのだ。
幸いにして、生き延びることができた。外は、すべてが凍てつく極寒。ここは、せいぜい氷点下10℃ほどだ。
突然、ハッチが開かれた。
誰か!生きていますか!
何年かぶりに外に出てよろめきつつ歩いた。緩やかな眩しい陽射しの中を。そして、氷の割れ目に、大地を見た。
均がいたのは、自らが開発した新ペルチェ素子に囲まれた特殊種子冷蔵庫で。動力はあの、直接式水素発電所であった。
人類は、この冷蔵庫のお陰で再生できた。
今、均は白寿の祝いで家族に囲まれていて。笑みを湛えつつ、年端もいかぬ孫達に独り言ちた。
ダメだ、もう終わりだと烙印を押されても、ときに、粘り強さで壁を乗り越えることができることもある。完全に捨てちゃ、ダメなんだな。
☆ ☆ ☆
■追記■
面ゆるって、なに?
それは、これ。西尾さんはじめ、みんな、面白い作品をあげていて。
私は、だいたい土曜日の夜に、そこそこの過去記事をあげています。
もしも、お時間があれば、みんなの作品、読んで頂けたら幸いです。
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