
ショートショート_私の岩波文庫
来年は読書の時間を持とうなどと思ってはいるが、なぜだか、彼の流行病の時代から本を読む時間が確保できていない。
私の岩波文庫というと、西田幾多郎の「善の研究」である。

これは、かなりの回数読み込んだ。父から譲り受けた一冊では飽き足らず、同じ本を多分、三冊くらいは買いかえた。
父に、「哲学でもやろうかな」などと言ってみたものの、鼻で笑われながら「哲学では食えない」と言われた。
哲学の道は何度となく歩いたが。哲学どころか、その道の近くの大学のレベルには爪の先も引っかからなかった。
純粋経験、自我と意識との統一、個人の意志と宇宙の意志の一致する行為が善となる。
なんて、ボソボソと言ってはいるが。私は、哲学とは全くかけ離れた道を歩んでいる。
そんな日曜日の夜に、またもや、荒技をやってしまった。
さて、小牧幸助さんの、シロクマ文芸部の最新お題は、毎週木曜日に出る。
そして、今回のお題は、「来年は」から始まる小説・詩歌・エッセイなどを自由に書いてみませんか?ということで。
そして、たらはかにさんからのお題は…。
今回は、お題1が【決闘年越しそば】、お題2が【豪華絢爛仕事納め】。そして、裏のお題が【手加減無用鍋】|д゚)チラッ、ということだ。
そしてそして、山根あきらさんのお題は、今回は特別企画で。
「 #私の岩波文庫 」というタイトルで、お気にいりの岩波文庫の本を紹介するという企画です、ということで。
お題を「私の岩波文庫」とさせて頂くということで作ることにしよう。
また、今回も、シロクマ文芸部・冬の夜とで検索して飛んでいき、シロクマ文芸部作品を読んでみた。6月9日以来の2回目のシロクマ感想文である、続気楽な散歩。(散歩と呼んで下さい)さんの記事である。
ちょっとその感想を述べてみる。
シロクマ文系部・来年はで、検索して飛んで行った。少しだけだが、シロクマ感想文を書いてみようと思う。
ネット環境は、今やなくてはならないものだ。
来年はその環境がより快適になりそうだというのは、なかなかワクワクするし、羨ましい限りである。
私は、ネット環境が緩慢で、グルグルと時間がかかる状況下に置かれると、ガックリくる。
まだ予定で、確定ではないとのことだが。
より快適になれば良いなと思う。
生きていることに感謝して。そして、続気楽な散歩。(散歩と呼んで下さい)さんが、より良いネットワーク環境下に行けるよう、今宵も、月に祈ろう。
小牧幸助さん、たらはかにさん、山根あきらさん。3人とも、私は、大好きである。そして、毎週繰り出されるお宝のお題たちが、毎週の日曜日の、私の励みである。
だが、小牧幸助さんのシロクマ文芸部のお題、シロクマ感想文。たらはかにさんの毎週ショートショートnoteの表2つと裏のお題。山根あきらさんの青ブラ文学部のお題。今日は6重のお題を入れ込んでしまう「荒技」。
この日曜日の荒技、やり始めてからこれで1年と4ヶ月を過ぎた。まあ、続けられるだけ、続けるさ。
心の中の、リトルkojuroが、また、ボソリと、呟つぶやいた。
なんだか、きかん坊の悪ガキだな。
わかっちゃいるけど、やめられない。
なんのはなしですか。
さて。それでは、本編にまいりましょう。今週の荒技、「私の岩波文庫」約410を、どうぞ。
☆ ☆ ☆
来年はもう少し読書の時間を増やそうと思った。
懐から取り出したのは、西田幾多郎の「善の研究」である。
まるでバイブルの如く何度となく繰り返し読んでいて、もうボロボロだ。
涼は秘密警察の一員ではあるが、彼には「正義」というような概念は無く。あるのは「善」の実践なのである。
涼は世界平和と安寧を守るのが意志で。それが宇宙の意志でもあると信じており。それを貫くことが自らの真の幸せで。それが宇宙のバランスを保つ「善」だと位置づけている。
今日は大晦日。ミッションの最中で映画の撮影現場にいる。
貸切のお屋敷で、大名達が集まるふぐ鍋大宴会の最後に蕎麦で締めようとしたシーンで工作員達が乱入してきた。
涼は時代劇好きで殺陣は身につけているが、ここは、遠慮は要らない。
工作員達をバッサバッサと切り捨てていき、最後の一人を倒したあと、刀を鞘に戻した。
パチンッ!
「峰打ちじゃ!」
そして見事、狙われた将軍役を守り切った。
除夜の鐘が、静かに鳴り始めた。
☆ ☆ ☆
荒技を書き終えて背伸びをしながら振り向くと、ソファーのさっちゃん(注1)が言った。
noteよりもさぁ、マッサー頼むわ。ここに、荒技は、いらんよ。
マッサージをすると、家内は上機嫌になる。
家内が上機嫌だと、我が家は平和である。
だから。
これで、いいのだ。


(注1)さっちゃんとは、家内のことである。我が家の実質の最高権力者なので、別名、女王陛下という呼び名もある。