さとうきび
一生のうちで、さとうきびを、スーパーで購入して食べるようなことがあるとは、思いもしなかった。
ところが、近隣のスーパーで、見つけてしまったのである。
心の中の、リトルkojuroが、囁いた。
コジ、買い物かごに、入れちまえ。
だが、あまりにも長い。
私は、正当に、家内の許可を求めた。
すると家内は、怪訝な顔を一瞬したが、私がある提案をすると、こう、言った。
仕方がないわね。
かくして、我が家に、さとうきびが、やってきたのである。
ポップに、太鼓はたたけません。剣道もできませんと書いてあるが、かなり硬い。
心の中のリトルkojuroが、呟いた。
ちょっと短いから、剣道はできないかもしれないけれど、太鼓は、十分に叩けるな。
家内に、切ってもらって、食べられるように、してもらった。
シガシガ、しがんで(注1)食べるのである。
もちろん、繊維が硬いから、飲み込めるものではなく、甘みが無くなったら、口からカスを出して、捨てることになる。
家内が得意の、配給で、一気に食べないようにと最初、制限があったものの、ひとくち家内がしがんだところ、美味しくなかったのだろう。
コジくん、もっと食べる?
そう、言ってきた。
私は、翌日も食べたかったので、冷蔵庫に入れて保管しておいてほしいと言って、お願いをした。
翌日のことだ。
こんな、LINEが入ってきた。
またかと思いつつ、こう返した。
そして、こんなスタンプもつけた。
すると、こんな写真が貼り付けてあった。
すると、こんなメッセージが入ってきた。
ちょっとショックを受けて呆然としたが、気力を振り絞り、こう、返した。
家内は、こう、返してきた。
心の中の、リトルkojuroが、呟いた。
なにが、正解だよ。
楽しみが、パーだな。
冷蔵庫に入れてって、言ったのに。
帰宅すると、家内が、明るく言った。
ごめーん、ねっ。
私は、冷蔵庫には、入れなかったの?
そう言うと、家内は、言った。
甘いものは、カビやすいんだね。
ようやく、学んだ。
心の中の、リトルkojuroが、呟いた。
まったく、反省の色は、無いな。
家内は、そこから、回りくどい言い訳をしてきた。
固くて、なかなか包丁が入らず、危なかったのに、やったこと。
よく怪我をしないで無事だったと、自分を褒めてあげたいということ。
少しは食べて、満足したでしょ、ということ。
最後には、こう、言った。
あんまり、美味しくなかったじゃん。
心の中の、リトルkojuroが、私の耳元で囁いた。
挑発に乗るな。
ここは、我慢だ。
私は、少しでも味わえて幸せだった、ありがとうと言った。
すると、家内は、言った。
仁先生は、これ持っていくと、喜ぶのかな。
.......。
昨日の夜のミッションで、家内は、上機嫌なのである。
家内が上機嫌だと、我が家は明るくて平和である。
だから、
これで、いいのだ。
決して目新しくもない、昨夜のミッションの話は、また、明日。
ふふふ、ふふ。
(注1)「しがむ」は、恐らく、関西弁です。噛む、噛みしだく、くらいの意味です。ポップを書いたのは、関西出身の方なのかも知れません。