モニュメント
夏休みの中盤。長男が、ほんの少しのあいだ、仕事の関係でこちらに来て、帰宅していた。
ビールサーバーの話をして、確認し、飛んで帰るように、関西に帰った。
帰る前の日に、一日、休みだった。そして、その休みの日に、どこかへ行こうかと言いつつ、結局は、疲れて遅くまで起きてこず、そのまま東京駅に、車で送って行くことになった。
どこかへ行こうというのは、思い出に、オリンピックのモニュメントを見てみたいというものだった。
東京駅に着き、長男を降ろして、ゆっくりと帰ろうとしていたとき。車の中で、ニュースを見ていた。
すると、こんなニュースが流れていた。
モニュメントや、朝から、撤去したというニュースだった。
家内が、言った。
良かったね。行かなくて。無理して早起きして行って。撤去されていたんじゃ、割に合わないもんね。
心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、つぶやいた。
まるで、その気なんて、無かった癖に。
東京駅から帰った長男からは、こんな写真が送られてきた。
オリンピック、パラリンピックの開催には、賛否両論があるのは、承知している。
いろいろな考え方がある。それは、当然のことと考える。そして、色々な考え方があってこそ、それぞれがそれそせれを認めてこその、世の中だと思うのである。
長男は、呑気な性格である。スポーツを見るのが、大好きである。
オリンピックも。パラリンピックも。楽しみしか、無い。
そう、言っていた。
オリンピックも、パラリンピックも、終わった。
どんな意見の人々も、世界中の人々の願いは、おそらく、ここに尽きるのだと思う。
流行りの病も、災害も、諍いごとも、貧富の差も、差別も、すべての、ありとあらゆる闇という闇が消え去り、日常が戻り、安寧が訪れてほしいと。
私も、そう、心から、祈る。
そんな気持ちで、実は、長男の後ろ姿を、見送った。
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