老眼鏡
家内は、老眼鏡を、絶対にしないと宣言していたのだ。公然と。そのわりには、細かい字を見ると、目を細めて手を伸ばし、遠目に見ても、文字を認識するのが難しくなってきているのは、容易にわかっていた。
それが、急に、購入すると言い出した。
ひとつの理由は、このキャンペーンに乗りろうとしていた。
そしてもうひとつは、会社での仕事で、細かい給与計算をしなければならなくなり、もう、その紙に書いてある数字が、どうやっても、見えなくなったから、という理由だった。
私は、とうとう、女王陛下も老眼鏡の軍門に降ったかと、口を滑らしそうになった。
が、その時、心の中の、リトルkojuroが、私の左肘をつかんで囁いた。
余計なことは、言わないよ。
私は、すんでのところで、思いとどまり、ことなきを得た。
家内のこだわりポイントは、ポイ活と、クーポンと、節約である。
だが、キャンペーンの還元があってさえ、安いものを買おうとする。
心の中の、リトルkojuroが、うなずきながら、呟いた。
女王陛下も、とことん、節約の努力をしているのだよ。
そういう気持ちも、湧き上がってきて。
家内に、せめて、ちょっとオシャレな、老眼鏡の別の言い方を、教えてあげようと思ったのだ。
「めがね」の記事のコメント欄に、いろいろな方々が、コメントを入れてくれている。
その中で、老眼鏡の別の言い方を教えてくださっている方がいらっしゃったはずだ。
たとえば、マキさん。
お手元メガネ。品があって、優しい言い方だ。
次に、かなこさん
トライアスロンで、海外の大会に遠征していらっしゃるだけのことは、ある。
この言い方は、千都子さんも、書かれていた。
オシャレな方々は、やはり、違う。
リーディンググラス。いい響きだ。
もう、我が家でも、老眼鏡という言い方は、よそう。
お手元メガネ。もしくは、ハイカラに、リーディンググラスで、いこう。
心の中の、リトルkojuroが、笑って、呟いた。
ハイカラといった瞬間に、アウチだな。
これを教えてあげたら、家内は、上機嫌になるのだろうか。
家内が上機嫌だと、我が家は明るく平和なのである。
今度家内に、教えてあげよう。
我が家が明るく、平和になるように。
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