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処方箋

私には、行きつけの診療所がある。通風持ちの私だが、そこの先生とは、仲が良くて。よく、雑談をしている。

2カ月に一度は診察してもらい、薬をもらう。ほぼ、雑談なのだが、行きつけの診療所の主治医と雑談で済むのは、ほんとうに、幸せなことだ。

昨日、あるミッションが、女王陛下(注1)から出されていた。

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私の目の前には、いつもの、マイクロテープが置かれている。


お疲れ様。コジくん。

今回のミッションは、インフルエンザワクチンの接種である。

分かっているとは思うが、第2王女の試合などに影響しないようにという、予防措置である。きちんと、逃げないように、接種すること。今年のインフルエンザワクチンの流通量は少なくて、すぐに無くなるらしいから、意識して今の段階で済ませておくこと。


例によって、君、もしくは君のメンバーが捕えられ、あるいは殺されても、当局は一切関知しないからそのつもりで。


プシュ〜


マイクロテープは、跡形もなく、消え去った。


この時期、ワクチンの話をすると、すごく微妙な話になる。いろいろな考え方が、世間には、ある。私の考え方は、シンプルだ。ワクチン接種は、その人の自由であるべきだと考えている。ワクチン接種をしても、感染しない保証は、何処にもないからである。だが、次女は、昔からスポーツをしている。スポーツの世界は、インフルエンザであろうが、チームに罹患者がいると、出場停止になる。だから、チームも、強制はしないが、推奨は、するわけである。

幸いにして、次女が所属してきたチームは、罹患者が出て、出場停止になったことは、今までに、なかった。

よくよく考えて。そして、家族みんなで話し合って、そして、毎年、家族全員がインフルエンザワクチンの接種をすることを決めた。そしてそれが、毎年の年中行事になったのだ。


私は、家内がいない土曜日。一人で診療所に出掛けた。いつもは、小志朗こじろう(注2)で行くのだが、久しぶりに歩いて出掛けた。

歩いて、20分少しの道のりである。


診療所に着くと、ちょっと驚いたのは、人の多さである。緊急事態宣言下では、人がかなり少なかった。だが、その日は、結構な人が待っていた。

もちろん、インフルエンザワクチンの接種で来られた方もいたが、一時、町医者から人が消えたようになっていたが、今は、だいぶ人の流れが変わってきたのかも知れない。


いつもの雑談をして。問診があり、一瞬のうちに、注射は終わった。

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帰宅すると、次女のリーグ戦の配信が始まっていた。次女のチームは、少しずつ強くはなっているが、なかなか上位のチームを喰うことが出来ない。いいところまでいって、振り切れない。

この日は、何とか勝利をおさめた。だが、いつもの、スロースタート。また、監督に絞られるのだろう。

だが、高校の時の、あの緊張感からすると、大学は、天国のようだ。親の関与は応援だけだし。それも、するもしないも、自由である。何の制約も無い。



でも。

それでも、ライブで、試合観戦をしたい。


冬の、全カレが終われば、いよいよ、4年生。次女の代になる。大学で引退すると決めているので、最後のシーズンになる。

この冬。そして、来年の冬。

今まで十数年追い求めてきた、全国制覇。悲願達成は、なるのだろうか。


padのアプリを終了しながら、ぼんやりと、そんなことを考えた。


(注1)女王陛下とは、家内のことである。私に、ときどき、ミッションを与える、指揮命令系統の最上位者なので、ときに、家内のことを、そう呼ぶ。

(注2)我が家の車には、小志朗こじろう、という名前がついている。


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