筆立て
今の私の机の上にも、筆立ては、2つほど、ある。であるから、もう、充足しているのは、確かだ。しかも、両方とも、金属製。しっかりしているし、まだまだ使える。
さて、昨年、家内が一人旅をして、私に買ってきたお土産がある。
そしてそれは、大切に、私の机上に置かれていたのであるが、家内が、急に言い出した。
これ、もうそろそろ、賞味期限じゃ無いの?
そうでもないだろうと思いつつ、恐る恐る賞味期限を確認してみると、2月8日だと刻印されていた。
そうなると、そう、時間もない。そこで、開けてみることにした。
袋の中に、どうも、3枚ずつ、中袋に、6袋入っている構成になっている。
表を見てみると、家内が、声を上げた。
可愛いじゃん、アマビエ!!
心の中の、リトルkojuroが、感心して呟いた。
ほんと。可愛いな。
私も、中の刻印の種類を見たい誘惑に駆られ、袋を開けて、小袋を出してみる。
一部、破れているものもあるが、何種類も、刻印されているようだ。
写真を撮ったものの、照り返しを除いた写真を撮って、記念に残したいものだ。
そう言いつつ、朝食が出てきたので、そこに集中するために、いったん、片付けた。
そして朝食が終わり、さて、撮影するかと取り出そうした瞬間、なんと、あろうことか、箱ごと手から落としてしまった。
すると、悲しいかな、こうなった。
全部、割れている.....。悲しい.....。
中を開けてみると、奇跡的に、6枚だけ、壊れていないものが、あった。
ちゃんと、刻印が撮影できたのは、この6枚だけ。
ちょっと、ガックリだ.....。
すると、家内が、半ば鼻で笑いながら言った。
あなたの机、ものが多すぎるのよ。狭いのよ。だから、大切なものが、そう、なっちゃうのよ。
心の中の、リトルkojuroが、半泣きで、震える声で呟いた。
心の傷に、平気で塩を塗るって、こういう言葉を言うのだろうな.....。
私は、無言で、八橋を集め、タッパーの中に、静かに入れた。
心の中の、リトルkojuroは、ショックで、黙ったままだ。
.......。
私は、わざと明るく、言ってみた。
でも、素敵な筆立てが、手に入ったぞ!!
すると、家内が、明らかに嘲笑しながら、ボソッと、言った。
また、机の上の物が、増えるだけじゃん。
心の中の、リトルkojuroは、俯きつつ、涙を滲ませながら、囁いた。
わざとやったわけじゃ、ないのに.....。情けない.....。自分が.....。
心が整わないあいだに、家内が、言った。
あーあ。全部の刻印が、見たかったなあ。
世の中には、思ったことを、スラスラと、声に出して言える人も、いる。
私は、そういうことを、言わない主義だ。
私の心の中には、リトルkojuroが、いてくれているのだから。
心の中の、リトルkojuroが、私の肩を、ポンと、叩いて、言った。
自分の失態で、情けない時は、ひとりで噛み締めるしか無い。
いずれ、時間が、心を癒してくれるさ。
人生、どうせ、なるように、なる。
この言葉を聞いて、ちょっと、救われる気がした。
そして、私は、家内に聞こえないように、独り言を言った。
そうだな。自責、だもんな。
すると、心の中の、リトルkojuroが、叫んだ。
カッケー!!! ジ・セ・キ・ン・グ〜〜!!!!
※ジセキングとは、この、タセキングという記事のコメント欄で、かねけんがつくってくれた、造語である。なかなか登場機会がなかったが、ようやく、日の目を見ることができた。ひとつ、ミッション・コンプリート。