秘密の扉
我が家には、秘密の扉があるのである。これは、随分前に、記事にした。そして、その秘密の扉が、いま、大変なことになってしまっている。
秘密の扉というのは、私が開けられない扉なのだが、そこは、家内と子供たちのおやつが入っているのである。
私は、そこは勝手には開けられず、配給をもらうのを待たねばならなかった。
その秘密の扉の中は、今、こんなことになっている。
つまり、何も入っていないのである。
家内も、子供たちも、おやつを食べなくなったかというと、決してそんなことはなく。
心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟いた。
さて、おやつはどこにあるのだろう。
実は、ソファーの横の、テーブルの下に、すべて、集結している。
これは、さっちゃんのお願いだったのである。
さっちゃんは、面倒くさがり屋だ。ソファーから秘密の扉のところまで歩くのが、面倒臭いという理由で、すべて、手元のテーブルの下に集約してほしいということを言われた。
言われた通りにやったところ、こうなった。
ちょっと思うのは、人間、あまり楽をし過ぎると、ダメになるらしいから、そこが心配である。
事実、子供たちは、言っている。
おやつを取る手が止まらない。次から次へと、ついつい、食べてしまう。
堕落への一歩である。
堕落への秘密の扉が、より一層、身近になっただけのことである。
家内は、あるプロジェクトに参画していて。仕事が忙しくて、事務所の側のホテルに寝泊まりしている。日曜日の深夜に戻り、月曜日の昼過ぎにはまた、ホテルに泊まりに行って、そこで仕事をしているのである。
マッサージは、とんと、しなくなった。そのかわりに、家内の健康のことを心配をしている。これならば、マッサージをしているほうが、よほど良かった。
心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟いた。
さっちゃん(注1)がいれば、おやつの消化速度は、倍速になるだろうな。
もう、扉すらいらなくなったって、ことなんだろうな。
やりとりからすると、さっちゃん(注1)は、元気なようである。
だから。
これで、いいのだ。
(注1)我が家の家内の呼称は、「さっちゃん」である。さっちゃんは、女王陛下という別の呼称もある。だが、リキとの関係で、そもそもの飼い主が長男であることから、私は、おじいちゃんだが、家内に対して「おばあちゃん」なんて呼び方は、まかり間違っても、してはならないのである。