ショートショート_ヒント
梅の花が満開になる頃となり。春も、すぐそこになった。春はいつも、出会いと別れの交錯するなんだか切な明るい季節だ。梅の花が、講演に咲いているのが見える。
そんな日曜日に、またもや、荒技をやってしまった。
さて、小牧幸助さんの、シロクマ文芸部の最新お題は、木曜日に出る。
そして、今回のお題は、「梅の花」から始まる、小説、詩歌、エッセイということで。
そして、たらはかにさんからのお題は…。
【洞窟の奥はお子様ランチ】のお題で【冒険小説風】
ということだ。
お2人の企画は両方とも、膨大な数のファンの方、参加希望者を抱えていらっしゃって。お題を出すだけでも大変だと思うのである。
それでもお題を出してくれる。毎週。ほんとうに、ありがたい限りだ。毎週、励みになる。
また、今回は、みゆ💕さんの、シロクマ文芸部作品を読んでみた。ちょっとその感想を述べてみる。
いい作品だ。そう思う。
20文字作品のいくつかで構成されていて。読み切るとなんだか、切なさを超えた諦念を感じた。それは、突き抜けた、明るさだ。生きていくのに必要な。
若い頃は、そういう関係もあるのだろう。大人の付き合い、というやつかもしれない。それは、当の本人たちでしかわからない事情や感情があるのだろう。誰にも、評価なんてできない。本質のところは。
梅が咲き、別れを感じて
桜が咲き、別れが訪れ
桜が散り、惜別を飲み込み
葉桜の頃、新たな道をゆく
後ろ姿が、実に美しい。
これからの道の彼女に幸あれと、今宵も、月に祈ろう。
心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟いた。
せっかく出していただいたお題を、小牧幸助さんの始まりの言葉と、たらはかにさんの裏表のテーマ、3ついっぺんに書く荒技。まして、シロクマ感想文まで、4重の荒技。あまりにもやりすぎじゃないかな。
うむ。
これで何週間だろうか。まあ、続けられるだけ、続けるさ。
心の中の、リトルkojuroが、また、ボソリと、呟つぶやいた。
なんだか、悪ガキだな。
まあな。
そしてもう一度、心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟つぶやいた。
家族からのお題は、バックアップで書いたの?
うむ。少しずつね。でも、それを投稿する機会がなくなってしまったかも知れない。どうしようか。
私は、この荒技シリーズを、ハードボイルド風に書き上げたいと思っている。だが、図らずも、コミカルな内容になってしまっている時もあり。今回は、また、その調子になってしまっているようで、実は、反省している。少しばかり。
さて。それでは、本編にまいりましょう。今週の荒技、「ヒント」約410字を、どうぞ。
☆ ☆ ☆
梅の花が咲き誇る頃、涼のミッションは教授の捜索へも範囲が広げられた。
失踪してしばらくの時が経つが、涼は、教授は必ず泉の元に現れ泉を安全な場所に避難させるだろうと踏んでいた。
恐らく悪の枢軸も、その絶好の機会を狙っている。だからこそ、今は、見かけ上平静が保たれている。
ある朝涼は、教授からの脳内直接アクセスを受けた。夢、という形で。
涼は洞窟に入り込んでいく。まるで冒険家のように。難所をいくつも超え、ライトだけが照らす道の果てに、光り輝く広大な空間にたどり着いた。
そこはピンクのカーペットに敷き詰められて。白いテーブルの上には、こじんまりとしたお子様ランチが置かれていて。僅かに湯気がたっている。
「後は、泉を保護するだけなんだ」
涼はすぐに問うた。
「物理的転送を完遂するには、何が必要ですか?」
だがそこで夢は、突然に覚めた。
ただ、あの洞窟の入り口。見覚えがあった。恐らくそこにヒントがありそうだ。
涼は、ガバッと起き上がった。
☆ ☆ ☆