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小玉すいか
もう秋も深まり、冬の足音がひたひたと迫りつつある中、昨日で夏休みの話は終わりだと言いつつ、まだ、懲りずに夏の話をしようと思う。
きょうは、スイカの話だ。
スイカは、私が好きな食べ物の中でも、とてもとても好きな食べ物で。最高に好きなのである。
心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟いた。
コジには、ひょっとしたらエジプト人の血が、ほんの少し、混じっているのかもよ。いや、熊本県人の血かな。
そんなに好きなスイカなのだが、単価が高く。家内には、ほとんど、買ってもらえない。
いいとこ、夏、値引きされた、カットスイカに、ほんの1度でも、巡り会えたら、それがだけでも、最高の幸せなのである。
だが、今年の夏は、ひと味違った。
なんと、小玉スイカに、巡り会えたのである。
というのは、我が家のマンションには、自治会の計らいで、近隣の農家が、野菜の直売箱を置いている。
なんとそこに、小玉スイカが、今年は、並んだのである。そしてそれを家内が査定し。購入の決裁が通った。
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我が家は、今、長男と長女が帰ってきているので、5人家族である。
その中で、スイカ好きは、私と長女である。
小玉スイカ1つを、半分こできると、私は、咄嗟に判断した。
心の中の、リトルkojuroが、大声で、叫んだ。
カットスイカではなくて、皮付きスイカに、かぶりつけるぞ!何年ぶりだろうか!
家内が、キッチンで、スイカを切っている。そして、こちらにやってきた。そして私に、こう言った。
コジくんお待ちかねの、スイカ、どうぞ。
喜び勇んで振り返ると、なんと!
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……。
心の中の、リトルkojuroが、力無く、呟いた。
カット……スイカ……じゃないのぉ……。
一応、涙声になりつつ、家内に抗議したのだが。家内は、大笑いしながら、私の頭を撫でて、こう、言った。
それは、希望を伝えないと、わからないわよね。
こんな夏の思い出を思い出しつつ、ソファーに目をやると、誰もいないソファーが、また、笑っているようだった。
家内からの報告によると、家内は、元気なようである。
家内が、元気ならば、我が家は、明るくて平和である。
だから。
まあ、これで、いいのだ。
世界でいちばん美味しいと言われる、5月の熊本のスイカは、いつか、食べに行きたいものである。