豆
スターバックスは、よく使うのである。昔、M(注1)がアルバイトをしていたこともあり。家内も私も、贔屓にしている。
日曜日の朝、散歩がてら立ち寄り、コーヒーを飲もうとオーダーをした後、コーヒー豆をもらった。
もっと正確に言うと、こうも聞かれた。
「挽いてお渡しすることも出来ますが、どうされますか?」
私は、こう、言った。
「豆のままで」
そして、豆のまま持ち帰り。実は、まだ、そのままキッチンに、ある。
心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟いた。
コジ、挽いてもらってさえ、コーヒーにしたかどうかわからないのに。豆のまんまじゃ、どうしようもないね。フードロスハンターの名が泣くよ。
フードロスハンター(注2)?しまった!
なんのはなしですか。
そんなこんなを家内に語ろうとしてソファーをみると、家内が脚を指さして笑って言った。
コジくん、あの豆、気が済んだら、サヨナラしてね。
……。
マッサージをすると、家内は上機嫌である。
家内が上機嫌だと、我が家は、明るくて平和である。
だから。
これで、いいのだ。
(注1)Mとは、長女のことである。私にはかなりキツいが。根は、優しい子である。
(注2)世界中で社会問題にもなっているフードロスを無くすために、まずは身の回りの賞味期限切れを無くすように、ひとたび賞味期限切れとなった商品をチェックし、たとえ賞味期限が切れていても、匂いや色や味見から食べられるかどうかを真剣に判断し、食べられるものと判断したものは、無闇に廃棄せずにきちんと頂く。そういう活動をする、ボランティアのこと。私が勝手に作った造語である。