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プロの共感力とは?

※YouTubeラジオ「Nラジ」の内容を
1週遅れで一部抜粋してnoteに投稿しています。

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みなさんもご覧になられたでしょうか。
逃げ恥新春スペシャル。

私は正月らしく、普通にテレビで見ておりました。
「逃げるは恥だが役に立つ」という、2016年の連続テレビドラマの続編です。

一言で言うと、あらゆる社会課題を、本当にもう、、、

盛り込みすぎ案件


いや〜盛り込んでました。
全盛期の金八先生かと思うくらい、盛り込んでました。

私が確認したところ、
1.性別ごとの役割押し付け
男はこうあるべき、女はこうあるべき、というやつ
2.選択的夫婦別姓問題
3.男性の育休問題
4.計画的無痛分娩
これはもう、腕のある麻酔医がいる場所なら、全員無痛分娩でいいやん、と私は思います。腕のある麻酔科医が必須です。
5.独身の孤独問題
6.LGBTの同性パートナーは死に目に会えない問題
7.今回のコロナ問題

信じられないくらいの詰め合わせセットでした。

こんな、考えさせられる系の話題てんこもりの中から、私Nバクが特に感銘を受けたこと、日常にも仕事にも活かせるなぁと思ったシーンが3つほどあるんです。

1.固定観念という呪い

私たちの日常生活の中で、女性は若いうちが美しいとか、男性は外で必死に働いて稼いでなんぼ!とか、そんなイメージがあります。

産休や育休に入ろうとする、妊娠中の女性スタッフすら、申し訳無さそうに働いたり、体調を押して働く。

時短勤務になったらなったで、「すみません」って言いながら、肩身狭く居ないといけないとか、こういう状況って、ドラマの1シーンとして描かれてましたが、実はめちゃくちゃ私達の身近な日常なんです。

こういう「固定観念」みたいなものを、「呪い」だと。一刀両断するところが好きでした。

私達は、たいがいのことを「そういうもんだ」と受け入れて折り合いをつけている。
「仕方ない」と諦めて、呪いにかかったまま生きている。

そんな日常の中で、
いや待てよと。
そんな呪いはさっさと祓えばいい、と。
先入観も、固定観念も、古い文化も、悪しき慣習も、必要なければ、邪魔であれば、取り払ってしまえばいいんだと、そう思わせてくれました。

この「呪い」って、自らがかけている場合もあるし、互いにかけている場合も往々にしてあるので、自分の考え方しだいで、行動次第で自ら解くことができて、互いに祓うことができるんだと、改めて感じました。

2.「沼田さん」の渋い一言


これはいろんな方が言ってますが、
マネージャー、管理職、リーダーはこうあるべき、というシーンに、ガツンとやられました。

どういうシーンかというと、

「いつだれが居なくなっても回る職場、いつ誰が戻ってきても気持ちいい職場、そういう環境を整えるのが管理職の仕事である」と、管理者に伝える場面なんですが・・・

私が痺れたのは、このメインのセリフの、そのあと。
とどめの一言ですね。

それができると見込まれているから
あなたはプロジェクトリーダーなんだよ


というものです。

このシーン、全然部下のことを微塵も考えていない、どうしようもないパワハラ気味の、いわゆるダメ上司を相手に喋ってるシーンなんです。

なにか不満がある時に、これをしてくれ、あれをしてくれ、これが足りない、あれが足りない!
ってスタッフは言いますが、陰で愚痴を言ったり、裏で徒党を組むよりもはるかに、

「あなたにはそれができます」と。
「信頼されてるから、見込まれてるからこその管理職というポジションです。」と。

こんなことを言われたら、もう「詰み」ですね。

上司としては、もう完全に、逃げ場はありません。
しかも超絶マイルドな追い詰め方です。
しかも会議の場で、みんなの前でやるんです。
相手を否定せず、むしろ肯定するやりかたで、でも意見をしっかり通している。

こうやって上を動かすのもありだなと。
というかシンプルに、私なら絶対動いてしまうな、と思いました。

3.共感には2種類ある

私達の仕事は、看護師の仕事に限らず、
「共感」ってめっちゃ言われます。

共感のスキルを高めましょう、みたいな。
共感力あげよう、的な。

この「共感」について、ドラマでも触れられていました。

主役のガッキーのセリフですが、共感には2種類ある。
「心で感じる共感」と、「頭で理解する共感」の2種類がある、と。
これを専門的には、「情動的共感」と「認知的共感」と言うらしいです。

心で感じる共感。
コレは実体験から共感してるし、感情が動いてるんで、共感する側のカロリー負担が皆無です。

共感というよりは、もはや「同感!」です。
共感する側に大した負担なく、話をしている相手に最高品質の共感をお届け出来ます。

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もうひとつ、「頭で理解する方の共感=認知的共感」

これは「わかる!」ってならないときの共感です。
私は、こっちの共感能力の方が100倍大事なんじゃないかと思ってます。

要は、
「わかるーーー!!」っていう状態じゃなくていいんです。

むしろ、わかってなくていいんです。
話を聞いたその瞬間は、共感できなくていいんです。

つまり、全然わかるわけない、え、意味不明・・・
的な場面でも、スキルとして使える共感、これが「認知的共感」なんです。

我々看護師は、圧倒的に、これを極めるべきだと思うんですよね。

共感することの効果は様々ありますが、やっぱりポジティブな感情も、ネガティブな感情も、相手に理解されている、受け入れられている、と感じることで、安心します。

相手に安心してもらうために、共感したいんですね。

これは看護学生にも、新人にも若手にも言いたいし、もちろん我々中堅以降のベテランや管理職クラスも、きちんと整理しておく必要がある。

患者さん相手に「共感」しようと思う時、自分自身が共感のスキルを高めようと思う時、「情動的共感」つまり、「わかります」「私もそう思います」の方に飛びつきたくなるんですが、いつまでも情動的共感にしがみつかないことが大切です。

情動的共感が無理だと思ったら、「いやこれは全然わかんないぞ」と思ったら、さっさと「感情」の部分を捨ててしまって、一瞬で「認知的共感」に切り替えたほうがいい。


例えば。

全身麻酔で手術を受ける患者さんが、いろいろベッドサイドで話をして、不安で不安で、眠れなくて、、、という状況。
抗がん剤の副作用がきつくてきつくて、絶望している患者さんの心情。
昨日まで元気だった家族が、一瞬にして交通事故で寝たきりになってしまった家族の思い。

こんな時に、心からの共感だけで寄り添おうと思っても、全然無理なんです。

自分はそんな状況は経験してないし、わかるわけがない。

ここで「わかります」とか言ったら、もうそれは、ハリボテの共感です。
だって、心底わかるわけがないので。

こういう時に、頭で理解しにいく。
相手の話を「正しく」認識しにいく。
相手が置かれた状況や、その瞬間の感情を、しっかり把握しにいく。

そして、それを受け入れて、受け止める。
これが、プロの「認知的共感」です。

「共感」とか言って「感じる」という文字が入ってるからややこしいですが、ここで使ってるのは、心ではなく、圧倒的に頭です。

自分の頭を使って考えないといけないし、相手の言ってる言葉の、表も裏も見ないといけないし、表情も読み取らないといけないし、ともすれば、言葉にならない部分も想像しないといけない。

「情動的共感」に比べると、しっかり頭を使う分、共感する側に、ややエネルギーが必要なんですが、それで言うと、私達はプロとして、相手に「寄り添う」とか「共感する」というプロセスを踏んで仕事をします。

これでご飯を食べているのが看護師です。
なので、スキルとして使える必要がある。

まさかまさか、ハリボテの情動的共感で、表面的な「わかります!」とかをお届けするわけに行かない。

なので、この認知的共感を鍛えておく、磨いていくことって、めちゃくちゃ必要なことだと思うんですよね。

相手にしっかり安心してもらって、信頼関係を築くためにも、ですね。

新年早々お付き合い頂きどうもありがとうございました。

Nバク

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