『宙』武藤彩未(思い入れのある曲シリーズ)

今日は武藤彩未さんというシンガーの『宙』という曲を取り上げたい。

この曲に関してはどのようにして出会ったのかあまり記憶がないが、確か誰かがTwitterで紹介していて、Youtubeに公開されていたPVを観たのが最初だったように思う。

観た時の感想は「若っ!」ということと、「なんとも言えない曲だけど何故かクセになるなぁ」ということだった。

前者については、この『宙』が発表された当時武藤さんは既に18歳になっているようなので、当時隆盛していたAKB界隈のアイドルに比べて特別若いわけではないのだけど、衣装や顔立ちが幼いせいもあるのか、年齢に似つかないあどけない雰囲気が出ているように感じられた。

元々武藤さんは可憐Girl’sやさくら学院で活動していたそうで、この時点でそれなりの活動キャリアがあったらしい。

さくら学院は把握していないが可憐Girl’sは聴いたことがあって、ここには現BABYMETALの中元すず香さんがいたことでも有名だ。

それらのキャリアを経て、満を持してソロシンガーとしてデビューしたとのこと。

そしてこの曲の曲調について。
これがとにかく異種融合感が強くて癖になる。

武藤さんは1980年代歌謡曲が好きだと公言しているようで、その要素がこの曲のAメロ〜Bメロ、2番のサビの後のCメロ的な箇所で強く出ている。

ただ曲全体を通してサウンドはEDM的な、当時かその少し前辺りで世間を牛耳った音色がメインで使用されており、昭和と現代のミクスチャー的な、そんなテーマ性が強く出ている。

その電子音の中にも一聴してレトロさを感じさせるような効果音(ワープするの後の音とか)が混ぜ込んであって、これは一体いつの時代の音楽なんだっけと違和感を覚えるような構造になっているのが興味深い。

さらっと聴き流せないような、不思議なフックのある楽曲に仕上がっていると思う。

一方でイントロとサビはどちらかと言うと80年代感は薄いシンプルな仕上がりになっており、イントロのアルペジオから始まる辺りには2000年代後半の切ないギターロック系のノリを個人的には感じる。

そういった要素を踏まえると、色々な人に刺さるような仕掛けはしてあるものの、悪く言えばストレートには刺さり辛い仕上がりになってしまっているような印象もある。

それぞれのジャンルを愛している人からすると素直に受け入れられるのかは若干疑問で、それらが混ざったクロスオーバー感を楽しむのがベストなのかとも思った。

個人的にはそのクロスオーバーさんが非常に面白いので、この曲はとても好きだ。

そんなことを語ってきたが、意外と誰にでも受け入れられているのかもしれないし、武藤さん自身の魅力があるのでオールオッケーということになっているのかもしれない。

ちなみにこの曲を生バンドで演奏しているライブバージョンの映像も観たことがあるのだが、音源のバージョンよりもボーカルの表現力が出ているように感じられてより楽しめた。

そちらも是非聴いてみてもらいたい。

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