最大心拍数の公式を考えてみる
運動強度を考える上で、重要になるのが心拍数と酸素摂取量及び乳酸値が主になります。
今回は心拍数についてお話ししたいと思います。
心拍数ですが、最大と最小の心拍数がわかれば、今の運動が何%の運動強度かが分かります。
最小心拍数とはすなわち安静時の心拍数なので、比較的知りやすいです。
問題は最大心拍数です。
一般的には、
①(220ー年齢)
が、有名な算出方法ですが、これは年齢が同じであればアスリートも運動していない人も同じという解釈になってしまいます。
1989年のVidalinの報告では、30歳以上のスポーツ愛好者に、220-年齢の公式に基づいた有酸素運動領域が合致していないことを示していました。
いろいろと最大心拍数を求める公式を探してみると
②アメリカスポーツ医学会では(210-0.65×年齢)
③アメリカ心臓学会では(208-0.7x年齢)
④EPSONのウェアブル時計では(206.9−0.67×年齢)
などが出てきます。
最近では、208-0.7×年齢が一般的になりつつある傾向です。
VientoRCではフランスでアマチュアスポーツ愛好家の研究をもとに出した公式を適用しています(http://wwwhbb.free.fr/conseils/freqcardiaque/frequence.htm)
⑤210-年齢×0.5
この研究では
・スポーツ愛好者は5段階のレベルに分ける
1=運動しない 2=週1回 3=週2-4回 4=毎日+競技 5=トップクラス選手
・研究対象をレベル3とし、さらに3-と3+に分類。3+は定期的かつ内容の濃い
運動をしており、競技会にも参加するレベル
・対象者は男女、各年代層から広く40名を選んだ。主にランニング愛好者
・心拍数は胸にセンサーを装着したハートレートモニターで計測
・最大心拍数:①15分ほどアップ②1000mを走って170拍程度まで上げる
③400mを全力スプリントしてこの時に最大心拍数を見る
・安静時心拍数:最も低い心拍数として朝起床時に計ったものとした
・無酸素閾値心拍数:一時間以上の運動継続を妨げるレベルの乳酸値(4mモル)。
乳酸値を実測できないので主観的にならざるを得ない
といった内容で、ランニングクラブメンバーの共通項目が多いことが採用理由としてますが、あくまでも個人差はどの計算式でもあるため、参考値という位置づけにはしています。
これら5つの公式に実際に年齢を入れてみました。
30歳
①220-年齢=200
②210-0.65×年齢=197
③208-0.7x 年齢=194
④206.9−0.67×年齢=193.5
⑤210-年齢×0.5=200
30歳
①220-年齢=190
②210-0.65×年齢=190.5
③208-0.7x 年齢=187
④206.9−0.67×年齢=186.8
⑤210-年齢×0.5=195
40歳
①220-年齢=180
②210-0.65×年齢=184
③208-0.7x 年齢=180
④206.9−0.67×年齢=180.1
⑤210-年齢×0.5=190
50歳
①220-年齢=170
②210-0.65×年齢=177.5
③208-0.7x 年齢=173
④206.9−0.67×年齢=173.4
⑤210-年齢×0.5=185
60歳
①220-年齢=160
②210-0.65×年齢=171
③208-0.7x 年齢=166
④206.9−0.67×年齢=166.7
⑤210-年齢×0.5=180
③と④はほぼ同じで良いでしょう。
②の出どころはスポーツ医学会なので③の心臓学会よりサンプル者が運動しているため高い運動強度を出来ていたのでしょうか?
同様に、⑤の非体験者の条件週2〜4回のランナーと条件が狭いため、5つの中では一番高い最大心拍数を示しました。
記録を狙って走っているのなら⑤の公式が条件としては合っている見解ですので、これに基づいてここでは話を進めていきたいと思います。