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旅の思い出

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おっさんが1人で遠くに出かけ、風呂入ったりサッカー観たりしている記録です。
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東北のこと(その1)

東北のこと(その1)

八戸。何のイメージもなかった。マジカルバナナで「八戸」が回ってきたら何も答えられずにアウトだろう。

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10月の始め、盛岡に行った。
「出来る限りたくさんのスタジアム(Jリーグ)に行く」という人生における目標のため、グルージャ盛岡のホームスタジアムである、いわぎんスタジアムを初めて訪れた。めちゃくちゃによいスタジアムだった。

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北海道民にとって東北は近くて遠い。飛行機は少ないし、空港

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東北のこと(その2)

東北のこと(その2)

青森にはキリストの墓がある。その界隈ではよく知られた話だ。

その界隈がどの界隈なのかは私もわからないが、B級スポットとか珍スポットとかいわれる存在の中では超メジャー、いうなればS級のB級スポットである。 

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その存在を初めて知ったのは、みうらじゅん氏の著作だったと思う。高校時代だろうか。

「行ってみたい」
とは思ったものの、田舎の高校生がおいそれと行けるはずはない。
周りの連中が甲子園

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東北のこと(その3)

東北のこと(その3)

新郷村を歩き倒し、棒となった足を引きずりつつ何とか八戸駅近くのホテルへチェックイン。ベッドに倒れこんだ。

遠のく意識の中、パトラッシュとルーベンスの絵が見えたその刹那、「いかん!俺は銭湯天国・八戸の湯に入らねばならんのだ!」と息を吹き返した。



いや、別に八戸が銭湯天国であってもなくても、ただ大きなお風呂に入りたかった。ベッドに突っ伏したまま付近の銭湯を検索。

「りんごのゆ」

なるほど

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九州のこと(その1)

九州のこと(その1)

僕が旅に出る理由は大体2こくらいあって

ひとつめはJリーグの試合が観たいから

ふたつめはドラクエウォークのおみやげを集めたいから

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岸田繁はそう歌っていたが、私も同様だ。

そんなわけで飛び出せ北海道。2月のある日、九州へと向かった。



降り立ったのは福岡空港。空港に着いてまずすることといえば、もちろん喫煙だ。

福岡空港は「世界で一番喫煙所が充実している空港」として私の中で名高

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九州のこと(その2)

九州のこと(その2)

旅人の朝は早い。

朝6時、私は福岡市中央区の唐人町駅にいた。そう、PayPayドームでドラクエウォークのおみやげを手に入れるためである。



駅からドームまでは若干の距離がある。知らない街での早朝散歩。悪くない。

途中、珍妙なモニュメントに出会った。

「健腸長寿」とある。ヤクルト発祥の地だそうだ。色合いがコカコーラゼロなのは見逃してやってほしい。

スーパー大企業であるヤクルトが生まれた

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岡山のこと(その1)

岡山のこと(その1)

可能な限りたくさんのスタジアム(サッカー)に行く。それが私のカルマだ。前世は多分、フーリガンの暴動に巻き込まれて死んだ。

そんなわけで岡山へ。未踏のシティライトスタジアムを訪ねるためだ。

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せっかくだから岡山を楽しみ尽くしてやろうと事前に色々調べたところ、素敵な施設の存在を知った。

「つやま自然のふしぎ館」

私は三度の飯より不思議が好きだ。行かないわけにはいかない。

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202

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岡山のこと(その2)

岡山のこと(その2)

岡山から帰り、身内や同僚に「岡山、どうだった?」と訊かれるたび、私は真顔で「桃太郎でした」と答えた。

岡山には奴が溢れている。自販機にもマンホールにも。

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例えば「札幌といえば?」という問いへの答えは「ジンギスカン」「スープカレー」「時計台」「すすきの」など無限だろう。

でも「岡山といえば?」への回答は「桃太郎」のみだ。バカにしているのではない。一点突破のスタイル、清々しいくらいだ。一

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福島のこと(その1)

福島のこと(その1)

信じられないくらい暑かった2023年の8月。東北を訪ねた。

もちろんサッカーとドラクエウォークのお土産が目当てである。旅情なんてクソ喰らえだ。

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早朝4時に起き、7時台のAIRDOで新千歳から仙台へ。暑さと寝不足によりこの時点で残りHPは8だったが、さらに鉄道でひたすら南下。ドラクエウォークの土産を目指し、アクアマリンふくしまへ向かった。

アクアマリンという名前から、涼しげな風が吹く海

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福島のこと(その2)

福島のこと(その2)

UFOとふれあった私が次に向かったのは二本松市。鬼婆伝説ゆかりの寺があるとのことで、それはもう行くしかない。

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鬼婆とは。

思えば、その詳細を知らないではないか。何の知識もなく伺っては失礼だろうと、事前にちゃんと勉強した。私はちゃんとしているのだ。

勉強した鬼婆伝説の概要は以下の通り。

以上。色々とやりすぎである。

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そんなわけで二本松駅から炎天下を歩くこと数十分、観世寺にた

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日進湯と遅れた飛行機のこと

日進湯と遅れた飛行機のこと

11月12日(日)、夕暮れ。
さいたまスーパーアリーナを見上げながら呟いた。

「アリーナはこんなにもデカいのに、俺はなんて小さいんだ」

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前日、初雪を観測した札幌から東京へとやって来た。ただの移動日で終わるはずだったのだが、インポッシブル単独ライブ「HELL GAME 5」が催されるというので、ルミネtheよしもとへと足を運んだ。

たまたまタイミングが合ったという大変失礼な理由で観に行

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12月2日の渋谷と12月24日の六本木のこと

12月2日の渋谷と12月24日の六本木のこと

12月2日(土)夜、よしもと∞ドーム・ステージⅡ。客は僅か7、8人。渋谷駅からここまでの道のりは人が溢れていたのに。

キャパは50人らしいので、はっきりいえばスカスカだった。
土曜日の夜7時。夜7時の東京は嘘みたいに輝く街だと誰かが唄っていたのだけれど。

いつもこの程度なのか、異例の事態なのか。初めて∞ドームに足を踏み入れた私にはわからなかったが、客の数について触れた演者がいなかったので、いつ

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辨天湯と和食展のこと

辨天湯と和食展のこと

2023年11月25日、土曜日。2週間ぶりに東京へ。行き過ぎだとは思うが、男には事情というものがある(ヒント:Jリーグが佳境)。

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空港からまっすぐ21_21 DESIGN SIGHTへ。

高尚なことはよくわからないけれど、文字は強いなと思った。紙媒体がなくなることはあっても、文字はなくならないからね。

それからこれ。

自分もだけど、仲良しのお友達にはかつてINFOBARを使っていた

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小伝馬にある十思湯のこと

小伝馬にある十思湯のこと

昨年11月から12月にかけて東京に行きまくり、サッカーを観まくり、お笑いを観まくり、銭湯に入りまくった。

お邪魔した湯のひとつに十思湯がある。「じゅっし」でも「じゅうし」でもなく「じっし」と読む。「十手」が「じって」、「十返舎一九」が「じっぺんしゃいっく」なのと同じ仕組みだ。

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東京の銭湯といえば宮造りで、脱衣場の真ん中にドドンとロッカーがあって、天井が高くて…といった具合である。もちろ

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小松湯とJリーグのこと

小松湯とJリーグのこと

2024年の2月下旬、2泊3日で3ヶ月ぶりに東京へ。

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1日目の夜、池袋の小松湯さんを訪ねた。

「でけぇ」

脱衣場も洗い場もとにかくでかい。
「でかい」より「広い」が適当かもしれないが、高さもあって「でかい」という印象が 勝った。

「小」松湯だなんて、謙遜も甚だしい。アンドレ・ザ・ジャイ松湯とか布袋寅松湯とかにすべきだ。

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「ご自由にお使いください」と、ボディソープやシャンプ

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