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僕の昭和スケッチ

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「僕の昭和スケッチ」は、昭和レトロを描いたもりおゆうのライフワーク画集。昭和の思い出を絵と文でお送りしています・・・毎週月曜更新予定(祝祭日を除く)。
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2024年12月の記事一覧

「私をスキーに連れてって」だった時代

「僕の昭和スケッチ」261枚目 「もはや戦後ではない」と後藤誉之助*が経済白書に記した昭和31年から少し遅れて昭和36年、スキーブームが到来した。 それは政治家の言葉ではなく、ようやく庶民にもこの言葉が肌で実感できる「スポーツの時代」の到来だった。この年にはスキー客が年間100万人を突破したと言われている。 この頃は若者たちがスキー板を担いで夜行列車でスキー場に向かうという時代。ゲレンデをテーマにした加山雄三の若大将シリーズ「アルプスの若大将」(昭和41年)も大ヒット。

火鉢と炭火の思い出

「僕の昭和スケッチ」261枚目 岐阜にある僕の実家は商売をやっていたので店にはコークスを使うストーブがあった。けれど、奥の住まいにあった暖房器具は火鉢だけだった。 それは一階の八畳間に一つ、三畳ほどの食事をする部屋に一つ、二階は三部屋あったが火鉢は一つだけ。祖母がいつも背中を丸めてあたっていたのを覚えている。 火鉢の暖房というのは今時の暖房とは違い、部屋中を暖めるというには程遠いものだ。けれど、子供の頃からそれで過ごしていたので、冬は寒いものだと思って育った。 その火

雀が絶滅危惧種って本当!?

「僕の昭和スケッチ」259枚目 雀は今絶滅危惧種に指定されています。 これは悲しいかな本当のことのようです。 昭和の頃までは、農村はもちろん、都市部でも街中の屋根瓦の上や歩道を飛び回っていた雀です。思い起こせば、僕がこのマンションに越してきた頃は小さな庭やベランダに確かに雀たちは遊びに来ていました。 しかし、そう言えば最近庭で庭で雀を見た記憶がありません。 雀にまつわる言葉 雀は人の住居のすぐ近くに暮らしており、人との関係も深く、古くから俳句などにも読まれていました

「ペンフレンド」若者達の文通ブーム

「僕の昭和スケッチ」258枚目 ペンパル・ペンフレンド! この言葉を聞いたことがある貴方はきっと昭和生まれ(笑) 昭和は文通ブームの時代だった。 文通は奈良・平安時代から始まっていて、今年の大河ドラマ「光る君」の中でも文のやり取りのシーンが何度も登場する。もちろん物語の中では恋歌の文だ。だから、文通は単なる通信というより「心を通わせる文」と解くほうが意にかなっているように思う。 それは、江戸・明治・大正と続いていくが、盛んになったのはやはり戦後で、雑誌の発刊数と大いに関