『私はこうして勉強にハマった』勉強は逆転のチャンス:自分の力を最大化する方法
「勉強は才能が必要だ」
これは、多くの人が抱く固定観念かもしれません。しかし、小林さやか氏の著書『私はこうして勉強にハマった』は、この考えを根底から覆します。
彼女が学年ビリから偏差値を40も上げ、慶應義塾大学に現役合格した経験に加え、コロンビア大学院で認知科学を研究した結果、わかった勉強法は、誰でも自分の能力を最大化できるというものです。
「ビリだから無理」という思い込みを捨てれば、逆転のチャンスが広がります。
自分の可能性を信じる:モチベーションの力
小林さやか氏の話で特に印象的だったのは、彼女が学年ビリからの逆転劇を実現したきっかけは、「やればできるかもしれない」というわずかな希望だったことです。
彼女自身、ビリのまま終わると感じていた時期がありましたが、ある日「やるしかない」という思いで勉強に取り組み始めました。
重要なのは、この「やる気」(モチベーション)が行動の原動力になった点。モチベーションとは、心理学で「行動の内的なエネルギー源」とも言われますが、これはすべての成功に必要不可欠です。
モチベーションを保つためには「小さな成功体験」がカギになります。
例えば、日々の目標を達成することで達成感を味わい、その快感がさらなる努力を促す循環を生み出します。
小林さやか氏の例では、初めは単語を覚えることだけが目標でしたが、覚えた単語が実際にテストに出て、それが得点につながることで「もっとやれる!」という自信が生まれました。
これが学習の動機を強化し、最終的に大きな成果につながったのです。
計画と戦略:目標設定の重要性
次に、小林さやか氏が強調するのは「計画」の重要性です。
勉強をただ闇雲に進めるのではなく、効率的に取り組むための戦略が必要。これは受験勉強だけでなく、あらゆる学びに応用できる基本的なスキルです。
小林さやか氏は、最初に「ゴール」(どの大学に入るか)を設定し、そこから逆算して日々のスケジュールを作成しました。
この「逆算思考」は、多くの成功者が実践している方法で、ビジネスの世界でも頻繁に使われます。
彼女はまた、勉強内容を「目標に沿った小さなタスク」に分解し、毎日それをクリアしていくことで、全体の学習量を増やしていきました。
これもまた、心理学的には「分割学習」(chunking)と呼ばれるテクニックです。大きな目標を一気に達成しようとするのではなく、小さなステップに分けて取り組むことで、無理なく前進することができる。
「戦略」とは、具体的にはどの教材を使うのか、どの順序で進めるのか、どこに重点を置くかなど、限られた時間を最大限に活用するための方法を指します。
例えば、英単語を覚える際、ただ単に暗記するのではなく、文脈で使えるように練習することで、覚えた知識を長期的に保持できるようになります。
ここでも、小林さやか氏は自分に合った戦略を立て、効果的に勉強を進めていったのです。
環境:周囲の影響を活かす
第三の要素は「環境」です。小林さやか氏は、周囲のサポートがいかに重要であるかを強調しています。
彼女が特に感謝しているのは、母親の「ああちゃん」です。ああちゃんは、どんな時でも小林さんを信じ、励まし続けました。これは、「社会的サポート」が人のモチベーションに与える大きな影響を示す典型的な例です。
環境の整備も非常に重要です。例えば、勉強をするための静かなスペースを確保することや、誘惑を遠ざけることが成功につながります。
研究によると、学習において環境の質は学習の成果に大きな影響を与えることがわかっています。
エピジェネティクスという遺伝子の発現に関する研究でも、環境が人間のパフォーマンスに大きな影響を与えることが示されている。
つまり、自分が集中できる環境を整えることが、学習効果を高めるためには必要不可欠です。
認知科学が示す成功の秘訣
小林さやか氏がコロンビア大学院で学んだ「認知科学」は、私たちの学習に対する理解を深める重要な研究分野です。
認知科学は、脳がどのように情報を処理し、学習するかを研究する学問です。
この研究によって、彼女は「どんな人でも正しい方法で学べば、驚くほどの進歩を遂げることができる」と確信しました。
実際、小林さやか氏は自身の経験を通じて、「誰にでも可能性がある」という信念を持ち続け、ビリからの逆転劇を実現しました。
認知科学によれば、人間の脳は可塑性(プラスティシティ)があり、新しい情報やスキルを身につけることができる。
これを理解すれば、学ぶことに対する不安や「自分には無理だ」という思い込みを克服する助けになります。
親として、何をすべきか:ああちゃんの教え
小林さやか氏の成功には母親の存在が大きく関わっていたことが印象的です。
親として、自分の子どもがどう感じているのか、どんなことを考えているのかを理解し、信じて応援することの重要性が強調されています。
彼女の母親は、どんな時でも「さやかならできる」と信じ続け、励ましの言葉をかけ続けました。
このような親の姿勢は、教育心理学でもよく知られていて、子どもの自己効力感(self-efficacy)を高めると言われています。
自己効力感とは、「自分はこの目標を達成できる」という自信のことで、これがあるかないかで、学習の成果が大きく異なってくる。
親が子どもを信じ、応援することは、子どもの成功にとって非常に重要な要素となります。
勉強だけではない、人生に活かせる教え
『私はこうして勉強にハマった』は、単なる受験勉強のテクニック本ではありません。
これは、「どうやって物事を学ぶか」という人生全般に応用できる教訓が詰まった本です。
どんなに厳しい状況にあっても、正しい方法で学び続ければ、自分の可能性を最大限に引き出すことができると感じられる一冊です。
小林さやか氏の体験を読んで、私たちは自分の学び方を見直すことができるでしょう。
そして、学びは年齢や過去の成績に関わらず、いつでも始められることを知ることができます。
『私はこうして勉強にハマった』を読んで、あなたも自分の人生を大きく変えるための一歩を踏み出すきっかけになるかもしれません。
『私はこうして勉強にハマった』は、多くの人に勇気を与えるだけでなく、具体的な学習戦略を示してくれます。
これを読んだ後、自分の勉強や取り組み方に対する新しい視点を得ることができるでしょう。
そして、ビリからの逆転劇は、あなたの物語でも可能です。
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