お前が何を考えてるかはおみとおしだ(600文字)
『ちょっといい?』
ママから話しかけられた。
すかさず私は答えた。
『ダメ!』
そう、ダメなのだ。
さっきの『ちょっといい?』からうすく怒りの色が見て取れたのだ。
おそらくだが、この後に続く言葉に私が喜ぶものは含まれていない。
それも何一つとしてだ。
玄関カメラをのぞくと、知らない奴が立ているようなものだ。
そう、これは私の居留守なのだ。
私『タダイマ カイワヲ スルコトガ デキマセン』
古いタイプの留守電になりきり、追加で返した。
それも、おかけ直しは求めないタイプのヤツとも付け加えておこう。
ママは構わず話しだしたのでこちらも強硬手段に出た。
『・・・・って聞いてる?』
待ってました。
釣りで言うところのアタリが来たのだ。
私『聞いてない!』
私は男らしく答えた。
ああ、正しく言い直すと『聞いてる?』は聞いていたけれど。
それ以前に話していた内容は1ミリも聞いていないだった。
正確性を欠く返答をして非常に申し訳ない。
その点に関しては深く謝罪の意を表するわ。
まぁ、じゃ話が終わったのでコレでと席をたとうとしたが。
どうも、まだ話は終わっていないらしい。
しかし、こちらの話は今謝罪をして完全に終了したのだ。
もういいじゃない、いい思い出としてお互い忘れよう。
それがひいては夫婦生活を円満にすすめる方法だと思うよ。
うん。多分お互い言いたい事はあるんじゃないかな。
全部を言い合っていたらきっといい事はないよ。
じゃそいうことで。
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